2018 Fiscal Year Research-status Report
骨肉腫に対するWntシグナルを標的とした治療法の検討
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18K15249
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
弘實 透 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70594539)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Wntシグナル / 骨肉腫 / 化学療法 / 分化転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにWntシグナルを標的とした骨肉腫に対する治療として,標的としてTNIKを中心に検討している.TNIK阻害による骨肉腫細胞の脂肪細胞への分化転換がどのように生じているのかは未だ明らかでなかった.また今回,TNIK阻害剤として先行研究同様のNCB-0846を使用しているが,本薬剤以外に有効なTNIKあるいはWntシグナル阻害剤がないかという事も明らかにしたい.その候補としては過去の報告を参考に寄生虫薬のMebendazoleなどを検討した.さらに,In vivoにおけるTNIK阻害剤の薬効検討を行った.以上の点などをこれまでに明らかにしている. ① TNIK阻害による脂肪細胞への分化転換の分子生物学的な機序解明 TNIK阻害剤やShTNIKにより,脂肪細胞へと分化した細胞を用いた.阻害剤やshにより,Wntシグナルの活性低下が起こり,脂肪細胞への分化が起こる事が明らかとなった.② メベンダゾールの抗腫瘍活性 細胞増殖アッセイにより,メベンダゾールが骨肉腫細胞株に対し,抗腫瘍効果を有する事を確認した. ③ TNIK阻害剤のIn vivo作用検討 Xenograftモデルを用いて,TNIK阻害剤の作用を評価した.i) 細胞増殖(腫瘍径から体積を評価),ii) 組織学的検討(脂肪染色), iii) RNA/タンパクを用いて幹細胞性喪失の評価,等を検討した.阻害剤の経口投与により,細胞増殖抑制,脂肪細胞への分化転換,幹細胞性喪失がIn vitroでの結果同様に認められる事が明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に実験が進んでおり,これまでの研究成果をまとめて,論文投稿を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は査読結果の必要に応じて追加実験を行い,年度内の論文発表を目指す. また臨床応用に向けたTNIK阻害剤のバイオマーカーの導出や最適な阻害剤の導出を検討している.
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Causes of Carryover |
細胞増殖アッセイキットの購入費等を安価・効率的に物品調達を出来たため。また予定していた学会への参加が都合により不参加となり,学会参加費、旅費が少額で済んだ。 次年度は,TNIK阻害の最適薬剤・バイオマーカーの導出に向けた研究等を中心に検討している.
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