2019 Fiscal Year Research-status Report
がん関連線維芽細胞を通したPGD2による肺がん微小環境制御機構の解明
Project/Area Number |
18K15255
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
綾部 信哉 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 専任研究員 (10633563)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん / モデルマウス / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
ツールの開発を継続し、ゲノム編集技術を用いた発がん関連因子の網羅的探索を行うために、コンディショナルdCas9ノックインならびにCas9ノックインマウスを作製した。ガイドRNAをはじめとした外来核酸をマウス細胞内へ導入するためのアデノ随伴ウイルスベクター構築を開始した。 肺における発がん制御に炎症性サイトカインなどが及ぼす影響を検討するため、Sftpc-CreERT2ノックイン;LoxP-STOP-LoxP(LSL)-KrasG12Dノックイン;Trp53コンディショナルKOマウスを作製し、プロスタグランジンをはじめとする炎症性サイトカインの合成酵素やその受容体が発がんに関与する影響を検討した。正常な肺線維芽細胞を用いた検討から、PGD2受容体下流のシグナル伝達においてCdc42が関与している可能性が示唆された。しかし、肺がん患者に由来するがん関連線維芽細胞を入手できなかったため、細胞間での比較を行うことができなかった。In vivoにおいてもCdc42が関与する可能性を検討するため、組織特異的Cdc42欠損マウスの作成を開始した。 さらに対象となるがんを肺がん以外に広げる可能性を検討するにあたり、膵臓特異的なCreERT2マウスが樹立できたため、Pdx1-CreERT2ノックイン;LoxP-STOP-LoxP(LSL)-KrasG12Dノックイン;Trp53コンディショナルKOマウスの作製を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
肺がん患者に由来するがん関連線維芽細胞を入手する目処が立たなかったため、今年度中に細胞関連の実験を実施することができなかった。そのため、使用するマウスの作製・解析を今年度に前倒しした。
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Strategy for Future Research Activity |
有用なマウス系統が樹立できたことから、vivoでの検討を継続して行うとともに、進捗が遅れているがん関連線維芽細胞を使用した検討を早急に開始する計画である。新型コロナウイルス感染症の影響により、生体で飼育するマウスの匹数を大幅に減らす必要があったため、コロニーを再度拡大させる予定である。
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Causes of Carryover |
肺がん患者に由来するがん関連線維芽細胞を入手・解析する目処が立たなかったため、それに要する費用を次年度へ繰り越した。年度の早い時期に細胞を入手して、解析を進める計画である。
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Research Products
(1 results)