2018 Fiscal Year Research-status Report
Identification of the impact of cancer cell-derived IL-34 on the tumor microenvironment
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18K15261
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
バグダーディ ムハンマド 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 講師 (60711570)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腫瘍微小環境 / がん治療抵抗性 / 腫瘍免疫逃避機構 / Interleukin-34 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.多発性骨髄腫の臨床検体を用いた研究: 多発性骨髄腫の主要な合併症として、痛みや骨折を伴う骨病変があげられます。骨病変に対しては、骨を溶かす細胞である破骨細胞を抑制する治療薬がいくつか開発されてきましたが、難治性の骨症状を訴える患者が依然として存在します。本研究では、骨髄腫細胞から分泌されるIL-34が骨病変に関わる病理学的要因であることを初めて同定しました。ヒトの骨髄腫細胞株、また骨髄腫の臨床検体を用いた実験では、IL-34があると骨病変を引き起こす破骨細胞の分化や活性化がさらに促進されることがわかりました。今後、骨髄腫患者における破骨細胞の病的な形成を制御するために、IL-34が新たな治療標的因子となる可能性があります。
2.がん患者の血清におけるサイトカイン及びケモカイン濃度と疾患予後の関連についての解析: 近年、慢性炎症ががんの増殖に強く関与していることが判明し、腫瘍微小環境において、サイトカイン及びケモカイン等が細胞間シグナルとして重要な働きをしていることがわかってきた。そして、これらの血清濃度と疾患予後の関連を示す報告もいくつか散見される。今後、健常者とがん患者を比較し、IL-34を含む各種サイトカインやリンフォカイン濃度と疾患予後の関連について検討する。本研究では北海道大学病院秋田弘俊教授と共同研究により肺がん患者の検体を供与いただくこととなっており、現在臨床検体を集めている最中です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
北海道大学大学病院と共同研究が行われている最中で、肺がん患者に由来する臨床検体が十分に集まっていません。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的は、1. IL-34が悪性腫瘍の臨床病理学的因子として疾患予後にどのような影響を及ぼすかを検討すること、さらに、2. IL-34を治療標的とした場合抗腫瘍効果にどのように影響を及ぼすかを検討することである。まず、がん患者の胸腹水や血清中に含まれるIL-34や他各種サイトカインの濃度と疾患予後の関連性を調べる。さらに、これらのサイトカインが免疫細胞や線維芽細胞などの腫瘍微小環境や治療抵抗性に与える影響について検証する。また、がん患者の胸腹水から分離して得たIL-34産生性腫瘍細胞を分離し、免疫不全マウスモデルなどを用いて、治療抵抗性獲得機序への関与を検討する。
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Causes of Carryover |
次年度に追加解析が生じる可能性があるため。
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Research Products
(3 results)