2019 Fiscal Year Research-status Report
腎機能低下患者におけるがん治療薬の薬物動態の検討及び投与方法の確立
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18K15277
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀松 高博 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (40511829)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がん薬物療法 / 透析患者 / 血中濃度分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、透析患者に対してFOLFOX療法を施行した場合、33%において高アンモニア血症を来たし、またその症例ではFBAL等の5-FUの代謝産物の濃度が高値であることを報告してきた。以上より、透析患者にFOLFOX療法を施行する場合には肝代謝がメインで腎機能障害患者においても減量が必要ないとされていた5-FUにおいても、減量したうえで開始をすることが望ましいと考えられ、大腸癌と診断されている血液透析中の患者に対してFOLFOX療法を行う際に、オキサリプラチンの投与量は85㎎/m2と固定のうえで、5-FUの開始用量として通常の2400㎎/m2の投与量ではなく、2000㎎/m2に減量(レベル-1)のうえ1コース目は開始とし、高アンモニア血症出現の有無について確認のうえ、問題なければ通常量である2400㎎/m2の投与を2コース以降検討する設定で「血液透析中の消化管癌患者に対するFOLFOX療法の安全性と有効性に関する多施設共同臨床試験」を開始した。当初は大腸癌患者のみを対象としていたが、現在は胃癌、小腸癌にも対象を拡大している。治療としては、まずはPart1としてFOLFOX療法の推奨開始投与量を決定し、その後Part2部分で、2コース目以降の用量増加も許容するような規定とし、4コースまでの治療を完遂することが出来るのか実施可能性を検討する予定である。現在Part1部分の登録が進んでおり、高アンモニア血症の有害事象が出現した症例に対しては適時5-FU及び代謝産物の濃度測定などを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、臨床研究は順調に開始されているところである。今後もさらなる症例の登録を促進するため、適時関係者で打ち合わせを行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の成果を踏まえて、がん薬物療法及び腎疾患の治療に関わる各種団体と協議のうえ、ガイドライン作成等を行い、OncoNephrologyという概念の浸透を行っていく予定である。
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