2019 Fiscal Year Annual Research Report
Metabolic Reprogramming Requires Stem Cell Memory T Cell phenotypes for Cancer Immunotherapy
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18K15290
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
近藤 泰介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60803765)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん免疫療法 / CAR-T療法 / 免疫代謝 / ミトコンドリア / 白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年がん免疫療法としてT細胞の移入療法が非常に注目を集めている。免疫記憶を担うメモリーT細胞の中で、最も未分化な細胞集団としてステムセルメモリーT細胞 (TSCM) が知られている。TSCMをT細胞移入療法に応用することを目的として、まずin vitro によりTSCM様細胞(iTSCM)を誘導する方法を確立した。活性化T細胞を抗原非存在下でNotchリガンドを発現するフィーダー細胞と共培養を行った。その結果活性化T細胞はナイーブT細胞マーカーを示す細胞(iTSCM)へと分化した。マウスiTSCMを担がんマウスに移植したところ、がんの増大を有意に抑制した。我々はこれらの結果を平成29年6月にNature Communicationsに発表した。本年度においてiTSCMの代謝学的特徴の解析およびキメラ型抗原受容体(CAR)を発現するiTSCM(CAR-iTSCM)の作製を行なった結果、ヒトiTSCMではミトコンドリア量やミトコンドリアの酸化的リン酸化の亢進が見られた。白血病モデルにおいて、CAR-iTSCMは通常のCAR-T細胞に比べて、強い抗腫瘍効果を示した。そこでCAR-iTSCMの優れた代謝メカニズムを誘導する責任遺伝子の探索を行った。CAR-iTSCMでは転写因子であるFOXM1の有意な発現上昇が見られ、このFOXM1がCAR-iTSCMのミトコンドリア新生および酸化的リン酸化の亢進を誘導することが明らかになった。さらにFOXM1を強制発現することで、フィーダー細胞フリーでCAR-iTSCMを誘導する実験系を確立し、この方法で誘導されたCAR-iTSCMはフィーダー細胞により誘導されたCAR-iTSCMと同様優れた抗腫瘍効果を示した。これらの結果はCancer Researchに発表された。またCAR-iTSCMの誘導方法は製薬企業との共同で特許出願された。
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[Journal Article] The NOTCH-FOXM1 Axis Plays a Key Role in Mitochondrial Biogenesis in the Induction of Human Stem Cell Memory-like CAR-T Cells2020
Author(s)
Taisuke Kondo, Makoto Ando, Nao Nagai, Wataru Tomisato, Tanakorn Srirat, Binbin Liu, Setsuko Omata-Mise, Mari Ikeda, Shunsuke Chikuma, Hiroshi Nishimasu, Osamu Nureki, Mitsuyo Ohmura, Noriyo Hayakawa, Takako Hishiki, Ryosuke Uchibori, Keiya Ozawa, Akihiko Yoshimura
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Journal Title
Cancer Research
Volume: 80
Pages: 471-483
DOI
Peer Reviewed
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