2019 Fiscal Year Annual Research Report
不全型TSCのためのTSC1/TSC2遺伝子特異的な変異解析法の新規確立
Project/Area Number |
18K15291
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
加藤 麻希 藤田医科大学, 総合医科学研究所, ポストドクター (20800246)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 結節性硬化症 / TSC1 / TSC2 / NGS / LongPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
結節性硬化症(tuberous sclerosis complex, TSC)は、皮膚/神経系/腎/肺/骨など全身症状を伴う常染色体優性遺伝性疾患でTSC1遺伝子とTSC2遺伝子が同定されている。臨床診断が比較的容易な疾患であるので、診療ガイドラインにおいて遺伝学的検査の推奨度は高くないが、多彩な臨床症状を呈し発症年齢が多様なことから、若年者や診断基準を満たさない不全型の場合には遺伝学的検査が確定診断に最短となると考えられる。 TSC1/2は、エクソン数が多いため従来法では遺伝学的検査に多大な時間と労力を要していたが、次世代シーケンス解析(NGS)によるエクソーム解析の登場により、一度に当該遺伝子を検査することが可能になったものの国内外のコホート研究から変異検出率(16%~85%)の低さやコストが問題となっていた。これらの問題を解決するために、本研究では、NGSを用いた高感度で迅速・安価なTSC特異的遺伝子変異解析法を確立をすることを目的とし、遺伝学的検査こそが早期介入への近道とされる不全型患者の拾い上げを目指した。 2015年から2019年10月までに解析を行ったTSC50症例において、安価かつTSC1/2遺伝子のみを網羅的に解析可能なLongPCR法と、TSC以外も解析対象となり時間・コスト面に課題のあるターゲットエクソーム法との比較検討を行った。LongPCR法はエクソーム解析では捉えることが難しいイントロンにあるバリアントやモザイクも検出可能となる。ターゲットエクソーム法により既同定のバリアントはLongPCR法においても再現良く同定に至ったことから、ターゲットエクソーム法の代替法となり得ることがわかった。遺伝子解析を行う過程で、TSC2遺伝子に同定されたバリアントにInDelが多いという特徴的な結果が得られたもののTSC2特異的な結果の原因究明は途中となっている。
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[Journal Article] A female patient of retinoblastoma and severe intellectual disability carrying an X;13 balanced translocation without rearrangement in the RB1 gene2019
Author(s)
Makiko Tsutsumi, Hiroyoshi Hattori, Nobuhiro Akita, Naoko Maeda, Naoko Fujita, Miki Kawai, Yasuko Shinkai, Maki Kato, Takema Kato, Rie Kawamura, Fumihiko Suzuki, Hiroki Kurahashi
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Journal Title
BMC Medical Genomics
Volume: 12:192
Pages: 1-8
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Book] これでわかる 網羅的手法による着床前診断のすべて ―最新技術から遺伝カウンセリング,フォローアップまで2019
Author(s)
澤井英明,中岡義晴,遠藤俊明,馬場剛,尾崎守,竹内一浩,加藤武馬,宮井俊輔,福田愛作,宇津宮隆史,加藤麻希,田中温,田中あず見,倉橋浩樹
Total Pages
137
Publisher
診断と治療社
ISBN
978-4-7878-2381-6