2019 Fiscal Year Annual Research Report
Perturbation of homologous recombination repair in tumor through inhibition of lncRNA function
Project/Area Number |
18K15293
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
岡本 有加 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター ゲノム研究部, 研究員 (50625217)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | lncRNA / DNA相同組換え修復 / 核酸医薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍細胞においてはDNA2本鎖切断に対する正確性の高い修復機構であるDNA相同組換え(homologous recombination; HR)修復への依存度が高いことが知られている。HR因子であるBRCA1/2の変異・欠損陽性がんに対する、PARP阻害剤の著効に代表されるように、HR修復は腫瘍治療にあたり重要な分子標的であると考えられているが、有効な分子標的薬の開発は発展途上であり、腫瘍特異性の高い標的候補が求められている。本研究では、長鎖非翻訳RNA (long non-coding RNA; lncRNA)を標的とし、HR修復不全を誘導することによる抗腫瘍法の開発を目指し、その基盤を築くことを目的として研究を推進する。 2019年度は、前年度に引き続き、候補lncRNAによるHR機能不全誘導の確認を進めた。DR-GFPアッセイによるHR活性の検討の結果、候補lncRNA 5種のうち、4種類において、ノックダウン時にHR活性が40-60%程度に低下した。この活性の低下は、配列の異なる複数のsiRNAで確認したが、ノックダウン効率と活性低下が概ね相関していた。さらに、2種のlncRNAについて、ヒト肺癌細胞株A549及びヒト骨肉腫細胞株U2OSにおいてDNA損傷性抗癌剤シスプラチンの感受性化を上昇させることを見出した。一方で、HR機能不全を誘導する化合物処理時の発現変動解析からは、化合物処理時に発現が有意に上昇するlncRNAを複数見出した。このうち1種については、放射線治療やシスプラチン耐性に関与すると既に報告のあるものであった。 以上のことから、HR機能の維持に関与するlncRNAを複数見出した。また、培養細胞を用いた実験から、機能不全により、HR修復欠損誘導を介したがん細胞の増殖抑制、抗癌剤感受性増強を誘導可能なlncRNAを同定した。
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Research Products
(3 results)