2018 Fiscal Year Research-status Report
特殊環状ペプチドを診断ツールとする低侵襲的な腫瘍特性解析法の開発
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18K15306
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 拓輝 金沢大学, がん進展制御研究所, 特任助教 (20781173)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HGF / MET / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
がん治療を困難にする悪性形質の中でも、転移や薬剤耐性の形質発現は、がん細胞周囲の環境(がん微小環境)が重要であることが知られている。そのため、悪性形質をもたらす微小環境を早期に検出し、腫瘍特性を理解したうえで治療法を選択することは、難治性固形がん治療における理想といえる。肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor: HGF)とその受容体METは、転移・薬剤耐性両者に深く関連する、代表的ながん微小環境形成因子である。 本課題では、HGFおよびMETに対し、高い選択親和性を有する特殊環状ペプチドをPETプローブとして応用し、イメージング画像と腫瘍特性を強く関連付けた診断技術を確立することを目的とする。 本年度は、(1)薬剤耐性腫瘍の選択的検出、(2)がん微小転移巣の描出、そして(3)転移前ニッチのメージングに着手した。 (1)では、分子標的治療薬Gefitinibに感受性のある肺がん細胞株と、同細胞にHGFを強制発現させた細胞を、それぞれ薬剤感受性モデル、耐性獲得モデルとしてマウスへ担がんし、HGF結合性ペプチドを使用してPETイメージングを行った。その結果、薬剤耐性腫瘍へのプローブの選択的集積が認められ、可視化することに成功した。 (2)、(3)に関しては、次年度以降に行う実験系の立ち上げとして、免疫組織化学による評価系の妥当性の検証と蛍光プローブによる動物実験の予備検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度からの継続したテーマであり、本課題において最も重要なプローブ構造の最適化が既に達成されているため、実験モデルの構築に十分な検討時間を設けることができ、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究計画に基づき、より臨床病態を反映したモデルを模索・検討し、がん微小環境を対象とした低侵襲診断法の確立を目指す。
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Research Products
(3 results)