2018 Fiscal Year Research-status Report
超高感度化MRIによる5mm径膵癌検出プロトコルの構築
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18K15312
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
野田 佳史 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60643020)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | MRI / 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内の酸化還元反応を鋭敏に検出できるニトロキシルプローブを用いて, DNP-MRIにより膵癌腫瘍内のレドックス状態を可視化することを最初の目標とした。まずは高い信号強度を得るためのESR励起時間を決定するためにファントムによる検討を行った。プローブの濃度が高くなるに伴い、信号強度が上昇することを確認し、ESR励起時間を500msと決定した。 続いてマウスモデルを用いた検討に移った。膵癌細胞株はMIA PaCa-2を使用し、DMEM+FBS培地で培養後、1000000個をマウスの右下肢に移植した。移植後4週、6週、8週にそれぞれDNP-MRI撮像を行い、CmP代謝の経日的変化を観察した。プローブ投与後30秒後から信号強度が増強し、2分後に最大信号強度を示した。4週目は腫瘍内に均一なプローブの分布を認め、6週目からは腫瘍内に壊死領域を反映した低信号域を認めた。 従って、今後の腫瘍マウスモデルを用いた検討では、CmPプローブが最も均一に浸透する、腫瘍細胞移植後4週目にDNP撮像を行うのが最適であると結論付けられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎的検討を終え、マウスモデルを用いた検討に移っており、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ナノカプセル内の封入濃度とMRI強度の関係を調べるために種々の濃度の造影剤を封入したファントムを作製し、カプセル内造影剤濃度とMRI信号強度の相関関係を明らかにし、最終的にはMRI撮像により最大効果を示す造影剤濃度を決定する。 その後、マウスに腫瘍細胞を移植し、ガドリニウムを内包させたナノカプセルを投与後、腫瘍への造影剤集積の有無や信号強度を検討する。
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Causes of Carryover |
支出はほぼ旅費であり、物品購入を控えたため次年度使用額が生じた。しかし、額としては少額であり、次年度は計画通りの予算執行が可能であると考える。
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Research Products
(1 results)