2019 Fiscal Year Research-status Report
デスモイド型線維腫症PDCによる治療薬の網羅的評価・解析
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18K15313
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
濱田 俊介 愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, 研究員 (90747289)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | デスモイド型線維腫症 / Patient-Derived Cell / CTNNB1遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続きデスモイド型線維腫症症例の手術もしくは生検標本より得られたPatient-Derived Cell(PDC)を用いた評価を行った。主な変異型であるT41A変異型、S45F変異型および変異型のない腫瘍よりそれぞれ腫瘍細胞を分離し各評価を用いた。ドラッグスクリーニングとして既存薬のライブラリーを用いてMTS assayを行い、有効な増殖抑制効果を示す候補薬を選定した。それらの薬剤に対して再検を行うことで安全な長期投与が可能でかつ高い増殖抑制効果を示す1種類の最終候補薬を選定した。臨床面では、治療介入に対する予後予測の判断のため画像所見との関連性について評価を行った。臨床的に使用しているメロキシカム投与症例において治療効果の高かった症例ほどMRI T2強調像での腫瘍内部の低信号領域の割合が高かった。T2強調像における腫瘍内の信号強度の違いは細胞密度と相関している可能性が示唆される。(J Med Imaging Radiat Oncol.63(6):751-757.2019) この結果は治療開始の時点での腫瘍活性との相関性を可能性を示唆し、特に強力な薬物治療の対象となり得る症例の培養細胞の作製の効率化が期待できる。またデスモイド型線維腫症の発生部位や画像所見と治療効果の相関性など臨床的予後因子や各種薬物治療の効果など、臨床・疫学的側面についても過去の報告をレビューし評価を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
デスモイド型線維腫症自体が希少疾患であることや、手術検体からのサンプル採取の同意の問題もあり細胞分離症例の蓄積は依然として十分ではない。現在既に得られた培養細胞を用いて分子背景の解析を行い、分子標的薬の標的となる遺伝子の異常の同定を進めると同時に、ドラッグスクリーニングにて選定された薬剤の増殖抑制効果などの評価を行っている。また臨床的評価として画像所見や治療効果と遺伝子変異との相関性についても引き続き解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞分離症例の蓄積が困難な現状より既に分離された培養細胞での評価に重点を置いていく。特にドラッグスクリーニングにて選定された薬剤の腫瘍抑制効果についてin vitro, in vivoでの評価を行い、各遺伝子変異型間での相違を評価することで、抑制メカニズムの分子的背景を評価についても評価していく予定である。併せてデスモイド型線維腫症の臨床像について既存情報や過去報告のレビューを行い解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
細胞分離症例の蓄積が十分に進んでおらず実験資材の使用が想定より少ない。またそれに伴って学会発表等の活動を次年度以降へ当初の予定より遅らせている。
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Research Products
(1 results)