2018 Fiscal Year Research-status Report
癌由来エクソソームの自然免疫系による腹膜播種抑制メカニズムの解明
Project/Area Number |
18K15315
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
徳田 彩 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (80814392)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エクソソーム / NK細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソームは脂質2重膜で囲まれた細胞外膜小胞体であり、後期エンドソームにおいて内向きにinvaginationが生じることにより、多胞性小胞となり、細胞外へ開口分泌される。またエクソソーム内にはDNAやRNA、タンパク質などを含んでいることから細胞間の情報伝達を担っている。しかし、これらのエクソソームが癌進展における自然免疫への役割については未だ明らかではなく、マウス由来大腸癌細胞株を用いて検討を行った。初めに、超遠心法を用いて、マウス由来大腸癌細胞株であるCT26細胞からエクソソームを収集を行った。CT26の培養液をexosome freeの培養液と置換し、48時間培養した後、1500rpm 5分で遠心分離した。それらを0.2umのフィルターを用いてろ過した後、超遠心分離を2回行いエクソソームを生成した。次に、それらエクソソームをもちいて、western blottingを行い、CD9が高度に発現していることを確認した。さらに、ナノサイトを用いてエクソソーム径が平均126nmであることを確認した。次に、CT26細胞株由来のエクソソームがマクロファージに及ぼす影響について検討した。マウス由来脾細胞を採取し、CT26由来エクソソームにて刺激を行った。FACSの解析をおこなうとエクソソームで刺激した脾細胞ではIFNgの産生がコントロール群と比較して上昇していた。更にIFNgの産生はDX5陽性であるNK細胞から認められた。これらの結果から、CT26由来エクソソームはNK細胞を活性化すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エクソソームを用いたin vitroの実験において、濃度や刺激時間など条件検討をおこなう必要があった。また、エクソソームを用いたwestern blottingの再現性、条件検討にも時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
癌由来エクソソームにより、脾細胞からIFNgの産生が認められたことから、今後は自然免疫の中でもNK細胞に注目し、in vivo, in vitroの解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
抗体などFACSに関する試薬が予想よりも低用量で実験することが可能であった。今後、ELISAなどを含めサイトカインに関する検討に対して、使用する予定である。
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