2021 Fiscal Year Annual Research Report
Establish the early diagnosis of esophageal cancer using SNP array and ctDNA sequencing.
Project/Area Number |
18K15323
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鶴田 祐介 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (70812767)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CRT / immunodecovolution / B細胞 / 液性免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は 食道扁平上皮癌(ESCC)は悪性度の高い癌腫であり予後改善をめざすことにある。このためのアプローチとして、術後転移再発の早期診断を掲げている。食道がんの再発転移の選択圧となる因子は原発巣における放射線化学療法感受性(CRT)抵抗性にあることから、CRT感受性(抵抗性)をリキッドバイオプシー(ctDNA)で診断することを最終的目的として検体の集積を終えている。まず最初に治療抵抗性についての理解を深めた上で検出すべき標的変異の同定を目指している。抵抗性と感受性とを明確に区別する特異的変異遺伝子を同定するためにWESを実施したが、特に有意な変異を同定しえなかった。しかしCNAではMYCゲノム領域の増幅を認めMYCがCRT感受性を規定する上で極めて重要であることを明らかにした(Cancer Res 2021)。さらにわれわれはCRT治療を受けたESCC患者33例について、感受性群(16例)と抵抗性群(17例)に分けてRNA Seqを実施。新たな解析パイプラインとしてimmunodecovolutionを用いて数理統計学的解析を行った。その結果、Heatmapでは、抵抗性群と感受性群の原発巣で免疫チェックポイント発現に傾向は見いだせず、GSEA解析でも抵抗性と有意に相関する遺伝子群を認めていない。しかし極めて興味深いことにCRT感受性群でB cell、骨髄系樹状細胞が有意に多いことを明らかにした。すなわち本発見はCRT感受性が液性免疫に関係する可能性が示唆される結果であり具体的機序について明らかにする。 今後、今回明らかにしたB細胞とCRT感受性との関係を明らかにするために、まずはCRT感受性群と抵抗性群症例の治療前検体を用いた免疫染色法を計画している。さらにspatial transcriptome解析を計画しており、腫瘍免疫応答の視点からCRT抵抗性を創出するがん微小環境について明らかにする。
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