2018 Fiscal Year Research-status Report
腸管洗浄液DNAメチル化を応用した大腸がんリスク予測・超早期診断法の開発
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18K15325
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
久保 俊之 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80784313)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸がん / メチル化 / 分子マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
便中DNAの大腸がん診断への有用性が多くの研究から示されているが、普及には至っていない。申請者らのグループはこれまで、経口腸管洗浄液から腫瘍特異的なDNAメチル化を検出することで大腸がん診断に応用しうることを報告した。本研究はこの知見を発展させ、大腸がんのリスク予測・超早期診断法を開発することを目的としている。
大腸がんによる死亡を減らすためには早期発見が重要である。本邦では免疫学的便鮮血反応検査(FIT)が大腸がんスクリーニング検査として普及しているが、偽陰性や、2次スクリーニング(全大腸内視鏡検査)の低受診率が問題となる。従って高精度かつ非侵襲的な大腸がんスクリーニング方法の確立は重要な課題である。また全大腸内視鏡検査で大腸腫瘍を認めた際には、大腸がんを予防するために内視鏡的に切除することが有用であることが明らかとなっているが、どのような患者さん、大腸腫瘍が癌化のポテンシャルの高いのかを明らかとすることは重要である。
これまでの症例で、前回検査から急速に発育進展したことが確認できるインターバル大腸がん症例について検討したところ、約40%で鋸歯状病変を有していることが明らかとなった。また鋸歯状病変を有している患者さんの担癌率は約20%以上と高率であった。以上から鋸歯状病変を有する症例は正常に見える背景大腸粘膜において、発癌の素地となる分子異常が既に存在することが示唆される。そこでInfinium Methylation 450から鋸歯状病変の背景粘膜で特徴的にメチル化する遺伝子を抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床的因子の解析に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床的データーを基盤として分子解析を行い、多数検体において抽出した遺伝子群の検討を進める。
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Causes of Carryover |
臨床的因子の解析に時間がかかり、詳細な分子解析が進まなかった。 マイクロアレイや高速シークエンス解析、多数の臨床検体の解析に使用する。
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