2020 Fiscal Year Annual Research Report
Color and emotional face perception disorder in autism: A multilevel study using magnetoencephalography
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18K15348
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 絵美 九州大学, 人文科学研究院, 助教 (60737310)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳磁図 / 色知覚 / 視覚認知 / 時間周波数解析 / 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、単純な色刺激であるサイン波格子縞刺激を用いて低次視覚レベルの色処理が後続する視覚処理に与える影響と色が情動顔の認知に与える影響を検討した。1)視覚処理における3つの経路(大細胞系、小細胞系、顆粒細胞系)を調べるために、各経路を選択的に刺激する色の組み合わせ(白/黒:大細胞系、赤/緑:小細胞系、青/黄:顆粒細胞系)と空間周波数(2.0 cpd、5.3 cpd)が異なるサイン波格子縞刺激を見ている時の脳活動を脳磁図で記録した。2)カラーの中立顔から怒り顔、中立顔から幸福顔にモルフィングした顔刺激を用いて情動価を評定する心理実験を行った。
本研究で得られた主な研究実績は以下となる。 1)1次視覚野から4次視覚野の腹側皮質で、刺激呈示後300ms以降のLow gamma (40~60Hz) 帯域で刺激の色の主効果が有意であった。一般的に色覚処理は腹側路で処理されており、またLow gamma帯域は情報のfeed-forward処理を反映しているとされる。以上より、本結果は色覚処理が視覚入力時の1次視覚野から4次視覚野に至るまで継続されている、もしくは1次視覚野が4次視覚野までの腹側路の処理経路を変調していることを示していると考えられる。 2)幸福顔で青と赤が強調された刺激で情動価の評価が低下した。中立顔や怒り顔では色の違いによる情動価の評価に変化はなかった。また、参加者には好きな色を回答してもらっていたが、好きな色との相関は確認されなかった。色と情動イメージの関係を調査した先行研究では、「青は悲しみ」、「赤は怒り」と青と赤には固定の情動が想起される傾向にあった。青と赤が強調された幸福顔の刺激で幸福度の評価が低下したのは、情動と色の固定イメージの影響を受けたためではないかと考えられる。今後は脳機能計測を含め、サンプルサイズを増やして更に検討する必要があると思われる。
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Research Products
(1 results)