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2019 Fiscal Year Research-status Report

Dual energy supplyによる血管性認知症に対する新規治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 18K15364
Research InstitutionShiga University of Medical Science

Principal Investigator

北村 彰浩  滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (80636019)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords慢性脳低灌流 / 1,3ブタンジオール / ケトン食療法 / 皮質下血管性認知症
Outline of Annual Research Achievements

2019年度は2018年度に引き続いて、研究環境の立ち上げと、1,3ブタンジオールを投与したマウスの表現型の確認、脳血流評価、組織学的評価を行った。
本研究では、両側総頚動脈にマイクロコイルを留置して、慢性脳低灌流状態を誘導するマウス両側総頚動脈狭窄モデル(BCAS)を用いている。同モデルは、マウスの種類、飼育環境によって表現型が変化するため、実験の立ち上げの際は、各施設での安定したモデルの確立がまず必要となる。研究者の留学先であるEdinburgh大学と、留学前に研究を行っていた京都大学は共同研究を行っているが、同モデルマウスの作業記憶障害の出現時期や病理変化で異差があり、しばしば議論の対象となる。本学環境下で、BCASマウス、Shamマウスの作業記憶の障害を術後28日目にY-maze試験で評価したが、従来の報告に概ね類似した結果を得た。本学で、手術環境、飼育環境が確立したものと考えている。行動実験後、当初使用予定であった脳血流計の使用が困難となり、新たなLaser speckle flowmetryで、術後28日の脳血流変化を評価したが、既報告に概ね矛盾ない結果となった。また、血糖は安定し、ケトンの上昇がないことも確認された。
本年度は、研究者の予期せぬ右上肢手根管症候群の発症により手術手技が困難となり実験が滞ったが、術前一週間前から、糖とケトンのDual supplyが可能となる、1,3ブタンジオール投与を開始したマウスでの手術が終了し、2020年6月末に行動解析、脳血流測定、血糖・血中ケトン測定を予定している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

従来の左上肢機能障害に加え、右上肢手根管症候群を発症し、マウス手術等の手技が一時期施行不能となり、大幅な遅れにつながった。年度末から病状が回復傾向認め、実験を再開したが、COVID-19の影響で思うように進めることが困難であった。
しかし、昨年度から取り組んでいる実験環境の確立は、個体数を増やすことにより確固たるものとなった。今後、遅れを取り戻すべく、実験を進めていく。

Strategy for Future Research Activity

術前一週間前から、糖とケトンのDual supplyが可能となる、1,3ブタンジオール投与を開始したマウスでの手術が終了し、2020年6月末に行動解析、脳血流測定、血糖・血中ケトン測定を予定している。行動解析で、spatial working memoryの改善が確認されれば、次は、ケトン食を与えたマウスに慢性低灌流を誘導し、慢性脳低灌流にとって、糖かケトンか両者の供給が良いのか評価を行う。そして、脳血流、組織学的検索から機序の同定を試みる。
次に、内因性ケトン体が産生されないHMGCS2-KOマウス、肝外臓器でのケトン体利用時に不可欠な酵素であるSCOTのコンディショナルKOマウス(内因性ケトン体のみならず、1,3-ブタンジオールから変換されるβ-OHBも栄養源としては利用できない)に脳慢性低灌流を誘導し、通常栄養摂取下での内因性ケトンの必要性と、1,3-ブタンジオール投与によるケトン体供給の有用性、抗酸化作用等ケトン体の栄養源として以外の作用の重要性を検討する。

Causes of Carryover

実験の遅延に伴い物品購入が少なくなり、マウス飼育関連の支出も大幅に減少した。また、学会での発表等も行えず、旅費も想定していた額よりも少なくなった。現在、実験が軌道に乗っており、遅れて、今年度前半に、支出が増大してくることが予想される。

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Published: 2021-01-27  

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