2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of the specific inhibitor for skeletal musle myosin light chain kinase
Project/Area Number |
18K15366
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大矢 良平 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50728053)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 骨格筋型ミオシン軽鎖キナーゼ / 化合物スクリーニング / 酵素活性測定 / 筋萎縮性側索硬化症 / 神経筋疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞や外傷後の筋痙縮や、神経筋疾患による筋収縮力低下には現在有効な薬物治療がない。骨格筋特異的ミオシン軽鎖キナーゼ(skMLCK)によるミオシン制御軽鎖のリン酸化は骨格筋の収縮を修飾する重要な分子機構であり、skMLCKの作用を調整することで筋収縮力増加もしくは減少作用があると考えられる。同酵素を標的とする薬剤は開発されておらず、本研究ではskMLCKの更なる生化学的機構、分子機構解析を行うと同時に、skMLCKに作用する低分子化合物を同定し、新規筋弛緩薬、収縮薬開発を行っている。これまで東京大学低分子化合物フルライブラリを用い、数十の阻害薬と12の活性化剤の発見した。これらを用い、生体での筋収縮力を評価する予定である。 現在、skMLCKによる筋収縮力の変化を捉えるため、SODマウス(家族性筋萎縮性側索硬化症モデルマウス)を用い、skMLCKの遺伝子導入の効果を見る実験中である。具体的にはAAV6を用い、AAV6/eGFP-T2A-skMLCKをマウスに経静脈、もしくは筋肉注射での遺伝子導入を用い筋収縮力の変化を観察する。WTマウスでの若干の筋収縮力増加を見ており、skMLCKによる筋収縮力増加治療のPOCが取れたと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定してた化合物スクリーニングは達成し、候補化合物を得ることに成功した。さらにAAVを用いたskMLCKの遺伝子導入をにも成功し、マウスでのPOCを得ることができた。生理実験系としてはex-vivoでの筋収縮力測定系を立ち上げることに成功し、再現性良く筋収縮力評価が可能になった。さらに握力系を用いた生理実験系を構築中で、現在はAAV6全身投与群での握力測定が可能になっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
SODマウスを用いて実際の治療効果判定を行う予定である。AAV6/eGFP-T2A-skMLCKを用いた遺伝子導入では、経静脈的、または筋肉注射での遺伝子発現、タンパク発現共に十分量得られている。SODマウスにAAVを投与しskMLCKを強制発現することで筋収縮力に変化がみられるかを調査していく。
|
Causes of Carryover |
若干の誤差のため979円の次年度使用額が生じた。誤差発生理由としては物品の発注額と、値引き額が最終月に生じたためである。消耗品購入でつぶさに消費されてしまう額であるため、生化学実験試薬に使用する目的である。
|