2021 Fiscal Year Research-status Report
細胞外マトリックス制御による脳梗塞後の内在性神経再生能の促進
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18K15372
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
藤岡 哲平 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (50805885)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 内在性神経再生 / 脳梗塞 / 細胞接着因子 / バイオマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞後には、脳室下帯に存在する神経幹細胞から多数の新生ニューロンが産生され、梗塞巣へと向かって移動し、その一部が成熟ニューロンとなる。この内在する神経再生の機序を、新生ニューロンに発現する接着因子に着目し、明らかにすることで、脳梗塞再生治療の基礎的知見となることを目指している。 マウス脳梗塞(中大脳動脈閉塞)モデルを用いて、特殊なバイオマテリアルを脳内に注入し、脳梗塞後に脳室下帯から脳梗塞巣周囲へと移動する新生ニューロンの挙動に与える影響を解析している。バイオマテリアルの投与においては、生体により低侵襲となるよう設計された自己集合型ペプチドを用い、このペプチドに細胞接着因子を付加し標識したものを、脳梗塞後の脳内に投与することで、細胞接着因子が新生ニューロンの挙動に与える影響を、脳内で評価しうる実験手法を確立し、解析を行っている。解析においては、脳梗塞後における新生ニューロンの移動について、移動の足場となる細胞接着因子の役割に着目し、遺伝子改変マウスを用いた細胞標識、免疫組織化学染色、透過型電子顕微鏡などの手法を用いて、多角的な検討を行っている。また細胞接着因子を付加したバイオマテリアルの投与が、梗塞巣周囲へと移動した新生ニューロンの分化、成熟に影響を与えうるかを明らかにすべく、脳梗塞後長期経過したマウスの免疫組織化学染色による検討、および行動実験により脳梗塞による神経障害が変化しうるかを解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初候補とした細胞接着因子が変わり、実験内容の変更が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っている実験により、脳梗塞後の新生ニューロンの挙動における細胞接着因子の役割を明らかとし、脳梗塞の再生治療における基礎的知見となることを目指す。
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Causes of Carryover |
実験計画の遅れにより、現在行っている実験の物品購入費、および論文投稿に関わる諸費用を次年度に使用するため。
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Research Products
(1 results)