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2019 Fiscal Year Research-status Report

概日リズム制御分子を標的とした新規白血病治療薬の開発

Research Project

Project/Area Number 18K15392
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

木村 朋子 (兵田)  九州大学, 医学研究院, 助教 (20632772)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords概日リズム / 白血病 / GO289
Outline of Annual Research Achievements

体内時計は、生体機能に周期性を与える内因性の自律振動体である。ほ乳類では、CLOCKとBMAL1という時計遺伝子が、Period(per)やCryptochrome(cry)遺伝子発現を促進する。発現したタンパク質は結合することで安定化して蓄積し、今度はPerおよびCry遺伝子の発現を抑制する。このループが24時間で1サイクルし、その発現量の増減でリズムが生み出され、このリズムの混乱により様々な癌の発生率が増加することが示されている。最近ではヒト細胞モデルを用いた広範囲の遺伝子スクリーニングで、概日リズムに影響する遺伝子が新たに特定され、多くの細胞機能と密接に相互反応を起こすことが明らかにされた(Eric et al.Cell.2009)。AMLモデルマウスでは、概日リズム調節因子ClockとBmal1がAML細胞増殖に必要な因子であることが報告された(Rishi V et al.Cell.2016)。概日リズム調節因子の抑制は、がん幹細胞増殖の抑制や分化を誘導し、抗白血病効果を生み出すことが予想される。その分子や分子間相互作用の阻害が、新しい白血病の治療標的となるかを解明したい。
概日リズムに影響を及ぼす化合物GO289は、ヒト及びマウスの血液腫瘍細胞株K562(ヒト慢性骨髄性白血病)、OCI-AML3(ヒト急性骨髄性白血病)、5TGM1(マウス骨髄腫)において増殖抑制効果が認められた。正常造血細胞への影響も検討したが、抑制効果はほぼ認められなかった。
in vivoのモデルとして、時計遺伝子Per2-ルシフェラーゼ(luc)を発現するMLL-AF9白血病マウスモデルを作成した。白血病マウスの脾臓において、正常マウスの脾臓と同様に、概日リズムが観察できた。in vitroでこのモデルの脾臓の化合物処理を行うと、概日リズムの消失や延長など変化が認められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

概日リズムに影響を及ぼす化合物について、in vitro、in vivoの評価を進めてきた。in vitroでは様々な細胞株を用いて(ヒト及びマウスの血液腫瘍細胞株K562(ヒト慢性骨髄性白血病)、OCI-AML3(ヒト急性骨髄性白血病)、5TGM1(マウス骨髄腫))、増殖抑制や細胞周期への影響について評価を行なった。
in vivoでは安定した白血病マウス(MLL-AF9)の作成に少々時間がかかったが、その貴重なマウスを用いて、概日リズムが白血病によってどのような変化をするか詳細に検討してきた。
今年度前半までは着実に進められてきていたが、後半においては産育休を取得し、研究を進めることができなかった。次年度その分の研究を進める予定である。

Strategy for Future Research Activity

今後はCRISPR/cas9システムで標的遺伝子をノックアウトし、増殖抑制が調節因子に特異的かそれともoff-target効果によるものか、明らかにする。
さらに、概日リズムの変化を細胞内代謝の観点から検討するため、メタボローム解析を行う。代謝産物の増減から、それぞれの化合物の概日リズムへ作用するメカニズムを解明し、標的因子を特定する。

Causes of Carryover

今年度後半に産育休を取得し、研究を進めることができなかったため。
今後はCRISPR/cas9システムで標的遺伝子をノックアウトし、増殖抑制が調節因子に特異的かそれともoff-target効果によるものか、明らかにする。
さらに、概日リズムの変化を細胞内代謝の観点から検討するため、メタボローム解析を行う。代謝産物の増減から、概日リズムへ作用するメカニズムを解明し、標的因子を特定する。

URL: 

Published: 2021-01-27  

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