2018 Fiscal Year Research-status Report
不明熱患者に対するリキッド・バイオプシーを用いた悪性リンパ腫診断の確立
Project/Area Number |
18K15402
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
岡本 晃直 藤田医科大学, 医学部, 講師 (80775049)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リキッドバイオプシー / 悪性リンパ腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
不明熱患者に対して、B細胞受容体のクローナリティを証明することで、悪性リンパ腫患者を鑑別する方法を確立することが、今回のテーマである。B細胞リンパ腫患者の血漿遊離DNAを用いて、安定的にクローナリティを証明できるかを検討するために、Biomed2プロトコールを用いて、クローナリティの証明ができるかを検討した。 対象として、血管内リンパ腫患者(IVL)患者を含む、多数の悪性リンパ腫患者と、不明熱の原因疾患となりうる膠原病患者において検討を行ったが、Muliplex PCRを行った後に、Snger sequenceを行う手法を当初試みたが、安定的に測定する系を確立することは極めて困難であった。最大の原因は、想定していたよりも、症例毎に末梢血中の遊離DNAの量にばらつきがあり、今回の方法では、DNA量が少ない検体では偽陰性になることが多く、PCRの条件を様々に変更して検討したが、偽陽性が多くなるなど、特異性が上がらない結果になった。IVLと診断がついている患者においては、それでも感度・特異度ともに比較的良好に検討可能であったが、不明熱患者のコントロールとして行った、Still病や血管炎患者などの結果では、これらの患者では一部にPoly clonalにB細胞の増加をきたすことがあり、微量なDNA量検体をPCRで増幅すると、偽陽性が非常に多くなりクローナリティの証明が困難であることが分かった。当施設での実験系が上手く機能していない可能性も踏まえ、他施設においても再検を行ったが、結果としては再現性を得ることは困難であった。 以上を踏まえ、これらを解決するためには、より高感度、かつ特異性が高く検討可能な実験を手法を検討する必要があると結論付け、次世代シーケンサーによる検討をする必要があると考え、現在計画を立案し、検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた実験手法にて、良好な実験結果が出なかったため。そのため、研究計画を変更し、多施設との共同研究に移行するなど、施設間の調整を行うのに時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在degital drop PCRを用いて血管内リンパ腫に特異性の高い遺伝子変異であるMYD88及びCD79Bを検出する系と、さらにBCRをNGSでクローナリティを検討する系を組み合わせることで早期の診断において、感度及び特異度ともに高く、確定診断として可能であるかを検証する臨床試験を計画している。 現在倫理審査を申請中であり、実際の研究計画として2019年度の夏までに開始する予定である。また、この研究計画においては、NGSの悪性リンパ腫パネルを用いて腫瘍特異的な遺伝子変異があるかを検討し、MYD88とBCRによる早期診断との整合性を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度の研究計画を行うにあたり、一部必要な試薬を臨時で購入したため。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Rearrangement of VPS13B, a causative gene of Cohen syndrome, in a case of RUNX1-RUNX1T1 leukemia with t(8;12;21).2018
Author(s)
Abe A, Yamamoto Y, Katsumi A, Okamoto A, Tokuda M, Inaguma Y, Yamamoto K, Yanada M, Kanie T, Tomita A, Akatsuka Y, Okamoto M, Kameyama T, Mayeda A, Emi N.
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Journal Title
International journal of hematology
Volume: 108
Pages: 208-212
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Role of exosomes as a proinflammatory mediator in the development of EBV-associated lymphoma.2018
Author(s)
Higuchi H, Yamakawa N, Imadome KI, Yahata T, Kotaki R, Ogata J, Kakizaki M, Fujita K, Lu J, Yokoyama K, Okuyama K, Sato A, Takamatsu M, Kurosaki N, Alba SM, Azhim A, Horie R, Watanabe T, Kitamura T, Ando K, Kashiwagi T, Matsui T, Okamoto A, Handa H, Kuroda M, Nakamura N, Kotani A
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Journal Title
Blood
Volume: 131
Pages: 2552-2567
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research