2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of host genes that mediate cancer cachexia
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18K15409
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河岡 慎平 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 特定准教授 (70740009)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん / がん悪液質 / 宿主遺伝子 / メタボローム / 代謝 / マウス / 遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん悪液質は、進行がん患者の50%以上で生じるとされる全身性の代謝障害であり、がん患者のQuality of Life (QOL) や治療感受性、生命予後を著しく低下させる。根治できないようながんを抱えてしまった場合には、がん悪液質をどのように抑えるかということが重要になる。しかしながら、現時点では、がん悪液質の強力な治療法は存在しない。がん悪液質の病態が極めて複雑であり、そのメカニズムの全体像がわかっていないからである。
本研究は、がん悪液質を制御する宿主側の因子は何か?という問題にとりくむ研究である。がんを移植したマウス個体から採取した宿主臓器に対するオミクス解析をおこない、がんの発生に対して反応する宿主側の因子をリストアップした。その後、インフォマティクス解析によって、がん悪液質の病態に関わりうる遺伝子を絞り込んだ。絞り込んだ因子ががん悪液質に関与するかを調べるために、当該遺伝子の欠失マウスを作出し、本欠失ががん悪液質に与える影響を明らかにし た。
以上の研究により、がん悪液質、特に脂肪や肝臓といった宿主臓器の代謝異常の一部を説明できる宿主側の遺伝子を同定することができた。また、本遺伝子がどのようにがん悪液質に関わるかということについて、特に脂肪における解析を進め、そのメカニズムの一端を明らかにすることができた。また、本研究により、宿主因子によってがん悪液質の病態を切り分けるというストラテジーを確立することもできた。
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Research Products
(4 results)