2019 Fiscal Year Research-status Report
急性骨髄性白血病の酸化ストレス経路の分子機構の解明と新規治療法の開発
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18K15411
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
後藤 七海 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (80782482)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 酸化ストレス / DNA修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの我々の研究でAMLに酸化ストレス(H2O2)を負荷すると、塩基除去修復関連遺伝子の発現が高まることを明らかにした。そこで、その中でもDNA修復と転写因子制御の2つの機能を持つAPE1に着目してknockdown細胞株をレンチウイルスの系を使ってTet-ONシステムを利用し作製した。使用した細胞株はHL-60で細胞増殖の抑制がみられた。細胞増殖が抑制されたメカニズムを調べるため、まず細胞周期を調べた。APE1がknockdownされた方ではわずかに4Nの細胞が減少していたが、明らかな差は見られなかった。次に、細胞のシグナル伝達系の経路のリン酸化に変化がないか検討した。本検討ではp65、p44/42、p38を検討した。p65については、HL-60では発現そのものが少なく、ほとんど検出できなかった。p-p44/42は発現に変化はなかった。p-p38についてはAPE1をknockdownすることにより発現が減少していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞株を用いた実験はおおむね順調に進んでいるが、関連遺伝子のknockdown細胞株の樹立や臨床検体の収集に難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言により研究再開の目途が立っていないが、再開でき次第、現在樹立できているknockdown細胞株を用いた酸化ストレス耐性や薬剤感受性との関連を調べていきたいと考えている。また、臨床検体の収集に難航しているため、TCGAやGEOなどの遺伝子発現データベースを用いた解析を代替的に行うことも検討している。
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Causes of Carryover |
臨床検体を用いた解析や、遺伝子発現の網羅的解析にほとんど着手できていないためである。次年度には着手する予定である。
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