2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢者閉塞性睡眠時無呼吸に対する新規治療法とバイオマーカーの有用性の検討
Project/Area Number |
18K15417
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本行 一博 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70817155)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 閉塞性睡眠時無呼吸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸がありCPAPの適応はあるものの、装用時違和感などからCPAPによる治療継続が困難であった高齢者に対して、3種類の新規口腔筋機能療法(MFT)を行い、その効果を判定することを目的としている。 新規MFTは3種類とし(それぞれMFT1、MFT2、MFT3とした)、MFT1は従来の MFTの中から特に容易な運動、つまり母音の発声、口角の挙上、口すぼめ運動、MFT2は一般的に児童の玩具として用いられる笛「吹き戻し」を用い、MFT3は、高齢者において誤嚥を予防する目的で用いられる「ぺこパンダ」を使用することとした。また、計24名の患者をA群、B群、C群の各8名ずつに無作為に割り付けを行うこととした。 A群ではMFT1、MFT2、MFT3の順に各2カ月ずつ連続して行い、各MFTが終了するごとにESS、AHI、コンプライアンスにつき評価を行う。同様にB群ではMFT2、MFT3、MFT1の順に行い、C群ではMFT3、MFT1、MFT2の順に行う。それぞれ各MFTが終了するごとの評価方法はA群と同様に行う。 この様なプロトコールで研究を開始したが、想定したペースで進められておらず、現時点では考察に値する結果を得られていない。具体的には、本研究の対象ではあるが参加に同意されなかった患者、また登録しMFTを開始したが毎日継続するのが煩わしいという理由から離脱された患者が多かったこと、またCOVID-19の感染拡大に伴う診療体制の変化により患者が来院できず、以降研究が進められていないことが原因として挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上述の如くCPAPの適応はあるものの治療継続が困難であった高齢者を対象として本研究を開始し、約1年間で目標の対象者数を登録完了する見込みであった。 しかし、参加に同意されなかった患者、また登録しMFTを開始したが毎日継続するのが煩わしいという理由から離脱された患者が多く、研究が想定のペースでは進まなかった。 加えて2020年2月からはCOVID-19の感染拡大に伴い、当院では治療が不急の患者には来院を積極的には推奨しない方針としており、OSA患者はこれに該当するため、以降研究が進められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
通常の診療体制に戻り次第、速やかに研究を従来通りの方針で進める。 その場合に毎日のMFT継続が煩わしいという理由から十分な人数の患者登録が得られないようであれば、研究のプロトコールを見直す必要があると考える。
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Causes of Carryover |
前述の如く、当初の予定よりも研究の進行が遅れており、今後登録しMFTを行う患者に対して用いる器具(吹き戻し、ペコパンダなど)や行う各種検査(簡易睡眠モニター、採血、筋力検査など)のための費用が必要となる。各対象者の登録ごとに必要な物品を用意し、MFT、検査を順次行う予定である。
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