2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of the new analyzing of closing volume by the derivative wave method using volumetric capnogram
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18K15425
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
和田 晋一 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80784355)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クロージングボリューム / SBT- N2 / SBT-CO2 / 量カプノグラム / Cardiogenic Oscillations |
Outline of Annual Research Achievements |
純酸素を吸入する単一N2呼出テスト(SBT- N2)は、呼気N2濃度の違いから第Ⅰ~Ⅳ相に分けられ、第Ⅳ相の肺気量はクロージングボリューム(CV)としては末梢気道閉塞の評価に用いられている。本研究は純酸素を吸入せず、量カプノグラムの原理の応用から、単一CO2呼出曲線(SBT-CO2) を作成し、一次微分波形(FDW-CO2)に変換することで第Ⅰ~Ⅳ相を区別し、CVの測定が可能か否かを明らかにすることである。 平成30年6月~8月の間、テスト期間としてAeromonitor(AE-100i)を借り受け、香川県立保健医療大学倫理審査委員会を経て研究参加が得られた健常成人18名を対象とした。SBT-N2において第I~第Ⅳ相まで区別ができた12例において、量カプノグラムを用いたSBT-CO2では第I~Ⅳ相に区別できたのは4例のみであった。しかし、FDWAに変換したFDW-CO2ではCardiogenic Oscillations(COS)の振幅の減少から12例とも第Ⅳ相が区分でき、CVが確認できた。 CV値の平均は0.41±0.19Lに対し、FDW-CO2によるCV(CO2)の平均は0.24±0.11Lと低値であったが、CVとCV(CO2)との間には正の相関関係(r=0.683,p<0.01,n=12)があった。また、FDWA-N2は第Ⅲ~Ⅳ相全域にCOSが認められたが、FDWA-CO2の波形は第Ⅲ相の後半が明確となる特徴がみられた。これは第Ⅲ相の前半と後半で換気分布やCO2の拍出の違いを表していると考えられる。FDWA-CO2のCOSは肺実質での血流の拍動の反映ではないかと推定され、COSの振幅や波長の解析の必要性を変化は肺内血流の新たな指標を示す可能性がある。 有用性が証明できれば、酸素ガスやN2ポンプが不要となり、小型で安価な測定機器の開発が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
測定機器としてSBC-N2の記録は大学既存の熱線流量計System21 (ミナト医科学社) を使用した。SBC-CO2の記録は赤外線吸収式炭酸ガス濃度計を備えたAeromonitor(AE-100i)をミナト医科学社から平成30年6月~8月の間、試験的に借り受け実施した。Aeromonitor(AE-100i)により出力されるCO2濃度とVolumeは各出力端子からレコーダによりSCVとして抽出するため、その後の解析が、マニュアル操作になるため微分波形の作成に時間を要する欠点が見つかった。計画では被験者を50名と考えていたが、COSを描出するためのサンプリングの設定等で時間を要し、現在は健常成人18名のみの実施となっている。18名の解析ではSBT-N2において第I~第IVまで区別ができた12例において、FDW-CO2では第III相に出現するCardiogenic Oscillations(COS)の振幅を解析することにより12例とも第IV相が区分でき、クロージングボリューム(CV)の区別が可能であった。 パイロット・スタディではあるが、平成30年度日本臨床衛生検査技師会中四国支部医学検査学会(2018,11,25)、第59回日本呼吸器学会学術講演会・学術部会賞選考講演会(2019.4.12)にて発表をおこなった。さらに、香川県立保健医療大学雑誌第10巻(2019.3)において発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1.Aeromonitorの購入 市販のAeromonitorから出力されたデータをCO2-Volume曲線やFDW-CO2の変換に変換するには手間と時間を要するため、Aeromonitor本体でのCO2-Vlume曲線の作成やFDW-CO2の変換できるように改良を加え購入する予定である。 2.健常人被検者の追加実施 実施期間中に申請者の所属が香川県立保健医療大学から天理医療大学に平成31年4月に移動(日本学術振興会に変更手続き中)したため、香川県立保健医療大学での研究継続が困難になった。今後は天理医療大学において倫理委員会に申請し、記録を継続していく予定である。
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Causes of Carryover |
試験的に測定機器(Aeromonitor)を借り受け、実施したとき、解析が、マニュアル操作になるため微分波形の作成に時間を要する欠点がわかった。そのため、解析をAeromonitorで自動化するソフトを組み込むための費用として繰越金と合わせて、使用する。
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Research Products
(3 results)