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2018 Fiscal Year Research-status Report

ヒト血中プロレニン濃度測定系開発ならびに病態生理学的役割の解析

Research Project

Project/Area Number 18K15431
Research InstitutionKitasato University

Principal Investigator

藤本 和実  北里大学, 理学部, 特任助教 (50769297)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
KeywordsELISA / 抗体作製 / 臨床検査
Outline of Annual Research Achievements

プロレニンは血圧調節の中心的な役割を担うレニン・アンジオテンシン系(RAS系)の律速酵素であるレニンの前駆体である。レニン、プロレニンの両者と結合する(プロ)レニン 受容体が同定されて以降、プロレニン受容体研究は国内外で盛んに行われてきたが、プロレニン自体の研究はいまだ少ないのが現状である。
内分泌代謝、循環器、腎疾患の診断や病態把握、治療のためにレニン産生分泌能評価として日常の臨床検査では血漿レニン活性がレニン分泌の指標に用いられている。しかし、種々の条件による変動が大きく特異性は必ずしも高くなく有効な診断マーカーとは言い難い。
本研究では独自に作製した高感度特異的抗体を用いてプロレニンヒト血中濃度測定系を確立し、生体内での動態を探り、現在臨床で使用されているレニン活性および濃度と比較・相関解析し、新規疾患バイオマーカーとしての有用性を示すための基礎的検討を目的とする。
平成30年度においてはプロレニンN端側アミノ酸のそれぞれ11残基、10残基のprorenin(1-11) prorenin(10-19)(UniProt entry name ではそれぞれRENI_HUMAN[24-34], RENI_HUMAN[23-32])を認識する家兎由来ポリクローナル抗体を作製し、既存抗体(4種類)を組み合わせサンドイッチELISA系に用いる抗体の検討を行った。
その結果、最も高感度かつ高再現性の組み合わせを決定することに成功し、測定系の確からしさを証明するために分子形態の評価としてウエスタンブロットを行ったところ、プロレニンには3種類の分子形態があることが明らかとなった。
また、質量分析を用いて自作したプロレニンN端認識抗体の特異性を確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画では平成30年度に血漿中のプロレニンの正確な分子型の決定を質量分析にて完了する予定であったが、難渋している。
質量分析のための試料調製の過程における、免疫沈降や磁気ビーズへの吸着やビーズからの溶出溶媒の適合性など、他のタンパクでは予想されなかった質量分析解析に影響を与え得る要因を一つずつ検討している。細かな条件検討を行い、現在も解析中である。
また測定系を確立した後、健常者ならびに内分泌代謝、循環器、腎疾患患者中のプロレニン濃度を迅速に検討できるように検体の収集を予定していたが、予定よりもやや遅れている状況である。

Strategy for Future Research Activity

サンドイッチELISA系の確立は成功したため、血中濃度を測定するための健常者検体ならびに患者検体は共同研究者である臨床医の協力を得ながら、引き続き例数を増やせるように収集していく。
難渋している質量分析によるプロレニン分子型の決定についても様々な条件を変えながら、引き続き検討を続け、最適な試料調製法を導きだす。この問題を解決することで、ウエスタンブロットで検出されたプロレニンの3つの分子型の由来を突き止めることにつながる。
さらには平成31年度の研究計画にもある、血中プロレニンのいまだ発見されていない全長よりも短い断片の存在を明らかにすることが可能である。
やや遅れを生じている部分と平成31年度に予定している研究計画を同時進行しながら本研究課題を進めていく。

Causes of Carryover

情報収集のための学会参加(開催地:北海道)を1件予定していたが、北海道胆振東部地震に見舞われたため、参加することができなかったため、旅費が使用予定より少なくなってしまった。次年度での学会発表での使用を予定している。
平成30年度中に本研究課題に関連する論文報告を予定しており、雑誌掲載料を確保していたが、予想以上に査読に時間がかかり、平成30年度中の掲載に至るまでとならなかったため、次年度への繰り越し額が生じた。平成31年度に使用予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ヒト循環血漿中プロレニンの分子存在様式とその濃度2018

    • Author(s)
      藤本和実, 川村沙友希, 吉野苑美, 坂東 慧, 鎌田裕二, 小寺義男,七里眞義
    • Organizer
      第28回臨床内分泌代謝Update

URL: 

Published: 2019-12-27  

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