2018 Fiscal Year Research-status Report
脳構造画像と脳機能イメージングによる多系統萎縮症における中枢性呼吸障害の病態解明
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18K15438
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
杉山 淳比古 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (90722934)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 多系統萎縮症 / 経皮血液ガスモニタ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度はまず、本研究計画について本学の倫理委員会へ倫理審査の申請を行い承認を受けた。承認後より、研究計画に基づいて多系統萎縮症患者における経皮血液ガスモニタ併用の終夜睡眠ポリグラフ検査データ、頭部MRI画像データ、血液ガス検査データ、呼吸機能検査データ、胸部レントゲンデータ、横隔神経の神経伝導検査データの集積を開始した。パーキンソニズムや小脳性運動失調の重症度、認知機能障害といった臨床データの蓄積もすすめている。承認後の10月から実際にデータ蓄積を開始したため平成30年度の時点で多系統萎縮症患者12症例のデータ集積を終了している。購入した経皮血液ガスモニタを併用することにより、睡眠中の高炭酸ガス血症の存在が実際の多系統萎縮症患者で適切に評価できることが確認された。また、頭部MRI画像データ、血液ガス検査データ、呼吸機能検査データ、横隔神経の神経伝導検査データについても、計画した方法によって、適切にデータ集積が行われていることを確認している。今後、現状のデータ蓄積をさらにすすめ、中枢性呼吸障害と他の症候や因子との関連を検討し、また中枢性呼吸障害についての画像解析(VBMによる皮質容積低下部位検索、拡散テンソル画像を用いたTBSS解析、グラフ理論を適用したネットワーク解析)を行うことで、多系統萎縮症における中枢性呼吸障害のリスク因子や病態生理などの解明が期待できる。また、多系統萎縮症における肺活量低下や横隔神経麻痺に関しても、その頻度や重症度を明らかにすることが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理審査の申請を行い、承認後より多系統萎縮症患者症例のデータ蓄積を開始したため、10月から12症例のデータ蓄積となっている。当初の予定では平成31年度までに60症例の蓄積が目標であったため、やや遅れていると考える。ただし、平成32年度に予定している実際のデータ整理や画像解析に要する時間が1年間よりも短縮可能であることを考慮すると、データ蓄積が平成32年度の途中まで及んだとしても、予定した期間での研究遂行は可能と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きデータ蓄積の推進を行うとともに、画像を中心としたデータ解析のための準備(解析方法の確認、機器やソフトの購入など)をすすめていく。
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Causes of Carryover |
経皮血液ガスモニタと、その使用の際に必要なセンサ・架台・ケーブルなどの費用が当初予定したものよりも若干安かったたため次年度使用額が生じた。次年度に予定している画像解析環境整備のための備品購入や消耗品購入の費用に充当する予定である。
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