2019 Fiscal Year Research-status Report
投与回数とゲノム薬理学による統合失調症の抗精神病薬アドヒアランス向上戦略
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18K15492
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹内 啓善 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 専任講師 (60365377)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 抗精神病薬 / 投与回数 / 服薬アドヒアランス / ゲノム薬理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は3ヶ年計画であり、抗精神病薬を1日複数回服用している統合失調患者を対象とし、1日1回投与に変更することで服薬事象監視システム(もしくは自動服薬記録薬瓶)(MEMS)によって測定した服薬アドヒアランスが向上するかについて、無作為化比較試験(RCT)によって検証するものである。同時に、薬物動態学・薬力学関連分子の遺伝子多型を調べ、どのような患者が1日1回投与に適しているかについても明らかにする。研究次年度である昨年度は、複数の評価者を雇用し評価体制を構築した。その上で、研究対象者の登録を行い、現時点で6名登録され、1名が脱落、2名が完遂している。 加えて、本研究の背景と方法に寄与することから、統合失調症を対象としてMEMSによって抗精神病薬の服薬アドヒアランスを測定した研究のシステマティック・レビューおよびメタアナリシスを行った。統合失調症の服薬アドヒアランスは約70%であり、分割投与を含む複雑な処方が服薬アドヒアランスの不良に関連することを示し、査読あり英文学術誌に受理された(Yaegashi, ..., Takeuchi. CNS Drugs. In press)。さらに、本研究の理論的根拠を求め、抗精神病薬のD2受容体占拠率と血中濃度を同時かつ経時的に測定した研究のシステマティック・レビューを行った。すべての抗精神病薬において血中濃度に比べてD2受容体占拠率の低下は緩徐であり、このことが抗精神病薬はその血中半減期にかかわらず1日1回投与で十分であることの根拠となることを示し、査読あり英文学術誌に受理された(Kurose, ..., Takeuchi. Journal of Clinical Psychiatry. In press)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
基準を満たす研究対象者が当初の計画より少なく、また新型コロナウイルスの影響により、研究対象者の登録が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力施設を増やし、緊密に連携をとりながら、積極的に研究対象者の登録を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究次年度である昨年度は、研究対象者の登録が遅れたため、支出が計画より少なかった。研究最終年度である今年度は、急ピッチで研究対象者の登録を進めていく。
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