2018 Fiscal Year Research-status Report
クロザピン誘発性無顆粒球症の発症機序解明と発症予測バイオマーカーの探索
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18K15497
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
齋藤 竹生 藤田医科大学, 医学部, 講師 (30767611)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クロザピン / ファーマコゲノミクス / 無顆粒球症 / 顆粒球減少症 |
Outline of Annual Research Achievements |
クロザピンの副作用であるクロザピン誘発性無顆粒球症の発症には、免疫学的機序が関与している可能性がある。しかし、未だにその機序は明らかになっておらず、発症を予測する方法もない。本研究の目的は、クロザピン誘発性無顆粒球症の発症機序解明や発症を予測するバイオマーカーの同定である。 本年度は免疫学的機序の関与の検証を目的として、リンパ球刺激試験を進めた。またクロザピン誘発性無顆粒球症・顆粒球減少症の遺伝的リスクであるHLA-B*59:01の関連の追試のため、新規の無顆粒球症症例を用いてHLA関連解析を行った。 リンパ球刺激試験:副作用発症群としてクロザピン誘発性無顆粒球症を発症した患者4名とトレラントコントロール群として副作用を発症しなかった4名から血液検体を採取した。リンパ球増殖においてトレラントコントロール群との差を明確にするため、副作用発症群は軽症な表現型である顆粒球減少症群を含めず、重篤な表現型である無顆粒球症群のみを用いた。次に血液検体より末梢血単核細胞(PBMC)の単離を行った。本検討では遺伝的リスクであるHLA-B*59:01の保有の有無によるリンパ球増殖の差も見るため、各症例のHLA-B*59:01の保有の有無を確認した。クロザピン誘発性無顆粒球症群の1例のみがHLA-B*59:01を保有していた。今後、PBMCにクロザピンあるいはクロザピン代謝物を添加し、さらに3H-thymidineを加え培養した上で、その取り込みを測定し、クロザピン誘発性無顆粒球症群とトレラントコントロール群におけるリンパ球増殖の差を確認する。現在実験を遂行中である。 2)HLA関連解析によるHLA-B*59:01の追試 新規の無顆粒球症6例とコントロール群198例を用いてHLA関連解析を行い、HLA-B*59:01に有意な関連を見出し追試に成功した(P =2.8E-4)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リンパ球刺激試験の最適化の予備実験に手間取ったことなどから、実験に遅れがでてしまい、全体として当初の計画よりも進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ球刺激試験の実験をこのまま遂行し完了させる。またHLA関連解析によるHLA-B*59:01の追試において、順次サンプル数を拡大し解析を行っていく。 クロザピン誘発性無顆粒球・顆粒球減少症発症時の血清中サイトカイン測定による免疫学的機序の検証、メタボローム解析を用いたバイオマーカーの検索のため、クロザピン誘発性無顆粒球・顆粒球減少症症例とtolerant control症例の血液検体を順次収集し研究を推進する。
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Causes of Carryover |
実験の遅れ等から計画にやや遅れが出ている。次年度は今年度に遂行できなかった実験を順次行っていく予定であり、その際に実験に必要な試薬等を購入する。 また今年度、サンプリングにおいて遂行できていない分を次年度に行うこととする。その際には全国の協力施設に出向きサンプリングを行う必要がある。このためその分の出張費及び人件費が必要となることから、その費用に資金を使用する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Genome-Wide Association Study Detected Novel Susceptibility Genes for Schizophrenia and Shared Trans-Populations/Diseases Genetic Effect2018
Author(s)
Ikeda M,Takahashi A,Kamatani Y,Momozawa Y,Saito T,Kondo K,Shimasaki A,Kawase K,Sakusabe T,Iwayama Y,Toyota T,Wakuda T,Kikuchi M,Kanahara N,Yamamori H,Yasuda Y,Watanabe Y,Hoya S,Aleksic B,Kushima I,Arai H,Takaki M,Hattori K,Kunugi H,Okahisa Y,Ohnuma T,Ozaki N,Someya T,Hashimoto R,Yoshikawa T,Kubo M,Iwata N
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Journal Title
Schizophrenia Bulletin
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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