2021 Fiscal Year Research-status Report
うつ病の発症メカニズムの解明-リアノジン受容体およびIP3受容体の関与
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18K15500
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
丸山 恵美 川崎医科大学, 医学部, 助教 (30792072)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RyRs / うつ / Ca2+ / ECS |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにうつ様モデルマウスの海馬スライスを用いて海馬歯状回でのリアノジン受容体(RyRs)を介したCa2+放出を認める顆粒細胞数が減少したことを見出した。令和3年度はこの顆粒細胞の興奮性を調べるため、Ca2+感受性K+チャネルの変化を調べることを目的とした。Ca2+感受性K+チャネルはRyRsを介して放出されたCa2+によって活性化され、過分極を引き起こすチャネルであり、しばしばうつとの関連も報告されている。チャネルの機能を電気生理学的に評価するためにパッチクランプ法の習得を試みた。これまで調べてきた海馬歯状回顆粒細胞をターゲットとし、数個の細胞を捉えることができたが、ギガシールを維持できず、データ取得には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ホールセルパッチクランプが成功しなかったのは申請時と作業環境が変化してしまったために除振が不完全になっていたことが一因と結論付け、様々な除振対策を講じているが未だ電極のブレが修正しきれていない。パッチクランプ法の手技は繊細で、まとまった実験日程を取れなかったことも手技の取得に至らなかった理由のひとつであると推察する。さらに令和3年度はコロナ禍における学生や教育内容などの対応変更、濃厚接触者認定による出勤停止などによってほとんど研究自体できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Ca2+感受性K+チャネルの機能変化を調べるためにパッチクランプ法を取得することと並行して電位感受性色素による海馬歯状回顆粒細胞の興奮性をうつ様モデルマウスの海馬スライス標本で調べる。
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Causes of Carryover |
電位感受性色素など試薬は購入したが、動物を用いての実験が計画通りに進められなかったため、動物購入費分差額が生じた。令和4年度は動物購入費、パッチクランプ用消耗品(バブリング用混合ガス、各種チャネル阻害剤など)に使用予定。
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