2021 Fiscal Year Research-status Report
過眠症との関連から迫るADHD病態メカニズムの解明
| Project/Area Number |
18K15504
|
|---|
| Research Institution | Neuropsychiatric Research Institute |
|---|
Principal Investigator |
伊東 若子 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (10775828)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | ADHD / 過眠症 / 脳波定量解析 / θ/β比 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
ADHD児は健常児と比較し眠気が強く、脳波定量解析でθ波の増加、β波の減少所見が示されている。米国食品医薬品局（FDA）は、このθ波の増加、β波の減少所見をADHDの補助診断として承認しているが、実際には研究により未だ結果が一致していない。その理由として、これまでのADHDの脳波定量解析による研究では、眠気について評価してこなかったことが一因として考えられる。そこで、日中の眠気を主訴に睡眠検査（PSG、MSLT）を行い過眠症と診断された過眠症患者を過眠症群、ADHD合併過眠症群に分け、さらに健常コントロール群と比較し、睡眠指標の比較を行った。結果、過眠症群とADHD合併過眠症群において睡眠指標に違いは認めなかった。さらに日中開眼覚醒時の脳波定量解析を行い、ADHDで特徴的と言われているθ波の増加、θ/β比の増加に関与する因子について多変量解析を行い、ADHDの有無がθ波、θ/β比に影響を与えるのか検討を行った。多変量解析の結果、ADHDの有無はθ波、θ/β比に影響を与えておらず、ナルコレプシー合併の有無、終夜睡眠ポリグラフ検査でのstageN3(％)の多さが影響を与えていた。今年度は引き続き論文投稿準備を進める予定である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度までに得られた結果の信頼性を高めるために、さらにデータ数を増やし解析を行ったため、解析や論文準備に時間を要している。
|
| Strategy for Future Research Activity |
データ取得はほぼ終わっているため、データ解析、論文投稿の準備をすすめていく予定である。
|
| Causes of Carryover |
論文作成、投稿にあたり、英語校正や投稿費用が必要なため。
|
