2022 Fiscal Year Annual Research Report
Pathophysiological Mechanisms of ADHD through its Association with Hypersomnia
Project/Area Number |
18K15504
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Research Institution | Neuropsychiatric Research Institute |
Principal Investigator |
伊東 若子 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (10775828)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ADHD / 過眠症 / 脳波定量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ADHDにおける生物学的な指標の同定は今までも試みられており、脳波は古くから研究されている。ADHDの脳波定量解析(Quantitative Electroencephalogram)を行った研究によると、ADHDではθ波成分が増加し、β波成分が減少していることが報告されている一方で、過眠症患者の脳波定量解析を行った研究によると、眠気がより重症であるナルコレプシー群において、覚醒時におけるδ波、θ波成分が多かったと報告されており、徐波成分の増加という点でADHDと共通の所見を示している。 そこで、ADHDと過眠症患者における脳波定量解析を行い、これらの所見がADHDや過眠症に特徴的な所見であるのか、徐波成分について検討した。睡眠障害のない、かつ健常発達成人22人、睡眠検査(終夜睡眠ポリグラフ検査、睡眠潜時反復検査)で確定診断されたADHD合併のない成人過眠症40人、ADHD合併のある成人過眠症15人における脳波定量解析を行い、θ波、θ/β比を比較した。結果、θ波成分、θ/β比の増大をADHD群で認めず、ADHDに特徴的な脳波所見は見出せなかった。次に、過眠症45人をナルコレプシー19人、特発性過眠症36人に分け、健常コントロール22人と比較した結果、ナルコレプシーではCentralにおけるα波成分、特に遅いα帯域の成分が増加していた。これは、ナルコレプシーにおける眠気や覚醒度が反映されているものと考えられた。
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