2022 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the effects of sports therapy on biological motion perception in schizophrenia
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18K15515
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松本 有紀子 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (80647131)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 認知神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018-2019年度は、統合失調症患者に対する運動リハビリテーションが身体運動知覚、社会認知、社会機能に及ぼす影響を明らかにするため、集団スポーツプログラムに参加中の統合失調症患者と健常者を対象としてbiological motion知覚課題、神経認知課題、社会認知・社会機能尺度による評価を行った。また、集団スポーツにおける運動特性を競技中の運動解析により評価し、各種心理指標との関連性を検討した。その結果、統合失調症患者は集団スポーツ競技中の対人協調性と視覚認知に障害があることが明らかになった。 2021-2022年度は、統合失調症患者と健常者を対象として、自然動画提示中のfMRIデータにエンコーディングモデリングと自然言語解析を適用し、脳活動に基づく意味表象の定量化を行った。続いて、得られた脳内意味表象においてネットワーク解析を行い、脳内意味ネットワークの幾何学的構造を評価した。その結果、患者の脳内意味ネットワークではスモールワールド性が有意に減少し、妄想の心理指標と相関しており、統合失調症における連合弛緩の神経病理学的根拠が初めて明らかになった。本研究手法は患者の変容した内的体験の神経基盤を理解するための有望なアプローチであり、精神疾患の診断及びニューロモジュレーションをはじめとする新規治療法の開発への寄与が期待される。また、認知神経科学、精神医学、神経画像、言語処理領域における脳内の意味知識体系の理解に新たな示唆を与えると考えられる。
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