2019 Fiscal Year Research-status Report
強迫症の新規治療;グルタミン酸系薬剤治療効果メカニズムの解明
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18K15523
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
阿部 能成 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50803631)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 被検者募集中 |
Outline of Annual Research Achievements |
Nアセチルシステイン(NAC)が強迫症状を改善させる効果メカニズムの詳細は解明されていないが、応募者はNAC がOCD患者における前頭葉眼窩面から腹側線 条体への過剰なグルタミン酸性の刺激を減少 させるという仮説を立てた。この仮説を検証し、NACによる脳構造・脳機能への効果メカ ニズムを解明することが 本研究の目的である。 平成30年度に、臨床研究審査委員会での審査を終えた。平成30年5月20日から臨床研究審査委員会への相談を開始し、平成30年12月4日に本学での研究実施が承 認された。ただし、NACの入手経路の変更に伴って再度の審査を要し、平成31年4月10日に再度承認された。 現在までに4名の強迫症患者をリクルートし、データ収集を行っている。強迫症状のデータに加えて脳画像データ、血液データも欠損なく収集することができている。研究に支障のある有害事象も発生していない。研究開始前、研究開始後にモニタリングを実施しているが、いずれも問題の指摘はなかった。 また、本研究に関連して強迫症患者の脳画像データを世界中から集めて解析する国際共同研究ENIGMAにも参加しており、 脳画像解析と論文の執筆・投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
強迫症患者のリクルートは順調に進行していたが、令和2年2月以降の新型コロナウイルス感染拡大の状況で、当院は京都府下唯一の第一種感染症対応病院に指定されており、新型コロナウイルス感染症患者の診療を積極的に行っている。入院・外来ともに機能を制限しており、本研究の新規リクルートも一旦止めている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスについての情勢を見極めつつ、可能であればリクルートを再開し、研究を達成したい。
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Causes of Carryover |
臨床研究審査委員会での審査に約1年を要し、また被検者に投与するN-acetyl-cysteineの調達に時間を要したため、当初の計画の2年ではデータ収集を終えられなかった。臨床研究審査委員会の審査終了後は順調にリクルートができており、現在4名の被検者が研究に参加している。今後もリクルートとデータ収集を続ける。
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