2022 Fiscal Year Annual Research Report
The new treatment method of obsessive-compulsive disorder: Glutamatergic agents
Project/Area Number |
18K15523
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
阿部 能成 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50803631)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 強迫症 / Nアセチルシステイン / 安静時機能的MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
標準的な強迫症の治療では寛解に至っていない強迫症患者を対象にNアセチルシステイン2400 mgで12週間の治療を行い、治療前後で心理検査、血液検査、脳MRI画像検査を行ってNアセチルシステインの治療効果メカニズムの解明を目指すのが本研究の概要である。ここで標準的な治療は12週以上の十分量のセロトニン再取り込み阻害薬による治療を経てもなお強迫症が寛解に至っていない患者を指す。新型コロナウイルス感染症流行の状況でリクルートを中止せざるを得ない時期もあったが、強迫症患者12名をリクルートし、2023年3月29日に最後の患者の12週目のデータ取得を終えた。12名中10名が治療を完遂し、全てのデータを取得することができた。残り2名の患者は治療開始後6週目までのデータを取得できたが、患者の都合で研究中断となった。重篤な有害事象は発生しなかった。12週の治療で、強迫症の重症度を示すY-BOCSは有意に改善した。治療開始前:26.4±6.23、治療開始6週後:24.6±6.23、治療開始12週後:22.1±7.92(いずれも平均値±標準偏差の表記)で、治療開始前と治療開始6週後の比較のp値=0.0016、治療開始前と治療開始12週後の比較のp値=0.010であった(いずれも対応のある2標本t検定)。血清グルタミン酸値は有意に上昇したが、安静時機能的MRI画像で解析した前頭葉眼窩面-腹側線条体間の機能的結合係数(グレンジャー因果係数)では有意な変化を認めなかった。今後、構造MRI画像、拡散強調画像と合わせて安静時機能的MRI画像の解析を進め、症状の改善と関連した脳機能・脳構造の変化を解明し、論文化する。また、国際共同研究での脳画像解析も引き続き行う。
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Research Products
(10 results)