2019 Fiscal Year Research-status Report
An fMRI study to explore neural activity of praecox feeling
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18K15525
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菊地 俊暁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20365373)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プレコックス感 / fMRI / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、統合失調症の患者と対面した時、観察者のうちに起こる一種言いようのない特有な感情であり、病者の対人接触本能の減弱によって喚起される、独特の「内的不確実感」と表現されるプレコックス感(Praecox feeling)を、機能的MRI(fMRI)を用いた客観的な指標としての脳活動を探索することである。そのため、1)統合失調症患者および健常者からの動画データの収集、2)動画を基にしたプレコックス感課題の作成、3)医師ならびに非医療者である対象者へのfMRI撮像、4)統計学的解析によるプレコックス感と関連する脳活動領域の同定、の4段階を設定して本研究を進めている。本年度の計画としては1)および2)を達成するため、入院もしくは外来に通院している統合失調症患者、ならびに患者と年齢層ならびに性別をマッチングさせ、精神疾患の既往がない一般募集に応じた健常者からの動画データを収集することであった。現段階では外来通院患者ならびに健常者のリクルートを行い、のべ15名から動画を収集した。動画については研究協力者のサポートを得て、より特異的な脳活動を抽出できるようにコントロール課題の設定と提示時間の試行を行い、検討を重ねている。今後は概ね5-10分程度のfMRI用課題動画を完成させ、また予備的な行動実験の結果解析を行い、3)の医師と非医療者に対するfMRI撮像、ならびに4)統計解析によるプレコックス感関連脳領域の同定について研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度では倫理委員会の審査に時間がかかったものの、2年目となる本年度はほぼ予定どおりの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はfMRI用課題動画を完成させ、医師ならびに非医療者に対する撮像を実施することを最優先して実施する。年度内にプレコックス感関連脳領域の同定まで行うため、fMRI解析のパイプラインの設定を協力者に既に依頼し、同意を得られている。
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Causes of Carryover |
課題動画作成に関する背景処理などの業者選定に至る前に、コントロール課題の設定や動画提示時間に関して検討を重ねていたために翌年に背景処理を行うこととしたため。また、出席予定であった学会が開催延期になったため。
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