2020 Fiscal Year Research-status Report
低線量放射線の短時間間隔複数回照射による放射線抵抗性癌細胞制御効果とその機構解明
Project/Area Number |
18K15537
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
寺島 真悟 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (00583733)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 低線量放射線 / 複数回照射 / 放射線抵抗性細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、高線量率で低線量放射線を短時間のインターバルで複数回照射することにより、総線量が同じ単回照射と比べて癌細胞生存率が効果的に低下することを見出している。本研究では、申請者が考案した低線量放射線を用いた短時間間隔での複数回照射方法が放射線抵抗性癌細胞の癌病態制御に有効かどうかを検証するとともに、その作用機序を明らかにし、照射間隔制御による難治性癌にも有効な放射線治療戦略を確立することである。 昨年度までに、ヒト口腔扁平上皮癌細胞の放射線抵抗性細胞であるSAS-RとBIONIX低酸素培養キットを用いて作成した放射線抵抗性である低酸素細胞(ヒト口腔扁平上皮癌細胞SAS及びヒト肺癌細胞A549)に対しても、申請者が提案する低線量放射線を用いた短時間間隔での複数回照射方法が、1回照射と比較して有意に細胞致死効果が増強することを明らかにしている。 昨年度は、新型コロナウイルスの影響で十分な実験が実施できなかった。作成した低酸素細胞(SAS及びA549)に対して申請者が提案する照射方法で照射を行った後に、照射細胞の培養上清をサンプルとしてザイモグラフィーにて、癌の悪性度との相関が高いMMP-9について検討を行ったが、有意な増減は観察されなかった。また、新型コロナウイルスの影響で実験が制限された期間は放射線抵抗性細胞に対する研究結果をまとめ論文投稿を行った。 放射線抵抗性細胞に対しても申請者が提案する手法が有効であれば、放射線治療に貢献できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度は、新型コロナウイルスの影響により、実験に使用する消耗品や、体調による大学による出社制限などの影響で、実験が制限されたこともあり、実験を十分に進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、申請者が考案した照射手法による細胞遊走能・浸潤活性能の癌病態に対する制御効果を検証する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、実験の進捗が遅れた。令和3年度は実験に使用する消耗品などの経費と、現在までの研究成果の論文投稿にかかわる経費及び論文改定の際に予想される追加実験の経費として使用する。
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