2020 Fiscal Year Research-status Report
MAPKシグナル経路操作による新規放射線感受性増強剤の開発
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18K15540
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
脇田 晃行 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (40610803)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線療法は食道癌治療において極めて重要な役割を担っている。本研究は放射線感受性のない癌に対し、放射線感受性を増強させる放射線感受性増強剤を開発し、新規治療を確立することを最終目標としている。REGIαが放射線感受性バイオマーカーであると報告してきており、食道扁平上皮癌細胞を用いた実験でREGIαはMAPKを介し放射線感受性を獲得することを示している。放射線感受性の異なる複数の食道癌細胞株でDNA microarrayを用い網羅的解析を行ったところ、IGFBP3を含むいくつかの遺伝子が抽出され、放射線感受性に関わることが示唆された。また、今までの研究成果により食道癌においてIGF2BP3の発現は予後不良因子であることが示された。 術前化学放射線療法後に食道切除術を施行した食道癌患者の術前治療前後、手術後の血液サンプルより有意に変化するRNAを抽出し解析する。抽出した遺伝子、MAPKリン酸化遺伝子、IGF2BP3遺伝子を増幅、抑制した放射線治療効果を検証する。今後は、放射線感受性支配遺伝子を同定し、動物実験へとつなげていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
術前化学放射線療法後に食道切除術を施行した食道癌患者の血液サンプル収集に予想以上の時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
放射線感受性関連遺伝子をノックイン、ノックアウトした癌細胞をヌードマウスに移植し、放射線治療効果を確認する。最も効果が得られた放射線感受性支配遺伝子を増幅する核酸を腫瘍内に注入し、放射線照射を行い腫瘍増殖速度の検証を行う。今後は実施の実験・研究に可能な限りの時間を当てる。
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Causes of Carryover |
術前化学放射線療法後に食道切除術を施行した食道癌患者の血液サンプル収集に予想以上の時間を要しているため、未使用額が生じた。術前治療前後、手術後の血液サンプルより得られたRNAの網羅的解析を行い、有意に変化するRNAを抽出する。
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