2020 Fiscal Year Annual Research Report
The development of lymphatic flow imaging method for the clinical application
Project/Area Number |
18K15544
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
棚橋 裕吉 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40724563)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | リンパ管 / CT / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
乳び胸腹水やリンパ漏は胸腹部手術の合併症の一つであり、しばしば治療に難渋する。その要因の一つとして、確立されたリンパ管イメージング法がないことが挙げられる。本研究では、全身のリンパ管およびリンパ流を安全かつ簡便に評価できるイメージング法を開発することを目的とした。 令和2年度は前年度に得られたデータを解析し、最適なリンパ管イメージング法を検討した。解析の結果、マイクロミニピッグにおける鼠径リンパ節からのダイナミックリンパ管造影下CTでは、リンパ管構造の造影効果はいずれの個体においても造影剤投与開始5分~10分後でピークに達し、その後漸減した。一方、ダイナミックリンパ管造影下MRIでは、リンパ管構造の造影効果は3頭のうち2頭で造影剤投与開始2-4分後に、残る1頭で造影剤投与開始5-10分後にピークを示し、造影効果のピーク時間にばらつきを認めた。定性評価では、リンパ管造影下CTとMRIにおける主要なリンパ管構造の描出能は同等であり統計学的有意差は認めなかった。下部胸管~乳び槽レベルではCTに比してMRIにおいてリンパ管の描出が不良な傾向を認めたが、呼吸運動によるアーチファクトの影響が疑われた。リンパ管破砕モデル(病的状態)におけるリンパ管造影下CT、MRIの解析では、いずれにおいてもリンパ漏部位を同定しえた。 これらの結果から、ダイナミックリンパ管造影下CTはダイナミックリンパ管造影下MRIと同等のリンパ管描出能が期待でき、より汎用性の高いリンパ管イメージング法となる可能性が示唆された。また、ダイナミックリンパ管造影下CTの最適なプロトコールは、鼠径リンパ節から造影剤注入開始5分後および10分後の2相撮像と考えられた。 本研究成果は2021年2月に開催された日本医学放射線学会 第168回中部地方会、2021年4月に開催された第80回日本医学放射線学会総会において口演発表を行った。
|
Research Products
(2 results)