2018 Fiscal Year Research-status Report
インビボ線量測定を可能にする標的体積内埋め込み型ミクロ線量計の開発
Project/Area Number |
18K15548
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
矢田 隆一 神戸大学, 医学部附属病院, 特命技術員 (50782421)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インビボ線量計 / ミクロ線量計 / MEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、標的内に埋め込み可能なミクロサイズで、動く標的位置を同定するためのマーカー機能を合わせもつ、リアルタイム測定が可能な線量計を開発することである。 現在のインビボ線量計は、いずれもリアルタイム測定が難しい、サイズが大きいなどの問題がある。そこで、新たな検出素子と最先端のMEMS技術を用いることにより、リアルタイムで測定可能なミクロレベルの新規線量計を開発しようと考えた。この線量計により、リアルタイム補正による適応放射線治療を可能にし、治療精度を向上させることで治療成績の向上につなげたい。 検出素子材料としては、サイズを小さくするために、体内に刺入する検出器部分に電源が不要で、光ファイバーで信号の読み取りが可能な素子として、ケミカル素材(ラジオクロミック素材)、バイメタル、輝尽性蛍光体の3タイプについて検討した。放射線特性の評価を行った後、輝尽性蛍光体を用いた線量計システムのプロトタイプを作成した。線量計の組み立てにはMEMS技術を用いており、現在直径1 mmのサイズの線量計を作成し、それにマーカー材を付加してマーカー機能をもたせている。 プロトタイプを用いた空気中での測定において、信号を読み取るためのフォトマルの最適感度と輝尽性蛍光体を励起するための読み出し用赤色レーザーダイオードの最適パワーの設定を行った。この設定条件下において、線量の直線性、線量率依存性、再現性の評価を行い、良好な結果を得た。また、直線加速器のパルスビームと読み出し用レーザーを同期することによるリアルタイム測定に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
輝尽性蛍光体を用いた線量計システムのプロトタイプの作成が終了しており、そのシステムによるリアルタイム測定にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
プロトタイプを用いて、水中での測定を行い、種々の放射線特性を評価するとともに、測定精度を高めるためにプロトタイプの修正を繰り返す。 次に、臨床で使用するために、実際の臨床に近い条件下で、線量計としての性能、マーカーとしての性能、そして安全性を確認する。 放射線特性の評価とマーカー機能評価は、患者模擬ファントムを用いて行う。放射線特性として、エネルギー依存性、線量率依存性、方向依存性などを直線加速器にて評価する。マーカー機能評価は、X線画像、X線CT画像上で視認性試験を行う。 安全性は、動物実験によって明らかにする。
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Causes of Carryover |
当初、プロトタイプの作成後、SNを上げるためにアンプ内蔵のフォトマルの購入を検討していたが、年度内発注が難しいため、次年度へと繰り越すこととした。平成31年度の早期に、アンプ内蔵のフォトマルを購入し、線量計システムのSNの向上を目指す。
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