2018 Fiscal Year Research-status Report
ビーズTAE後の血行動態の解明とパラメトリックイメージングによる効果判定の確立
Project/Area Number |
18K15559
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
南口 貴世介 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (50773264)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 動注化学療法 / N1S1 / 再分布現象 / 造影超音波検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ビ ーズTAE後の再分布現象に着目した血行動態を解明し、最適な治療効果判定方法を確立させることにある。 我々はN1S1を移植したラットに対して造影超音波検査・経カテーテル動脈塞栓術を施行してきた。 現時点で動物用の超音波装置ではarrival timeをパラメータとしたパラメトリックイメージングの作成を行えなかったため、代替案として、経カテーテル動脈塞栓術後に造影超音波検査で経時的に(治療直後・2日後)画像評価することで、ビーズの再分布現象を可視化し、塞栓機序の異なるビーズ群とリピオドールを利用したTAE群の2群間において、治療効果の差を検討している。造影超音波で腫瘍内血流を経時的に評価することで、塞栓機序の違いを反映した画像所見が得られた。今後、摘出した腫瘍の病理組織像と、超音波画像、そして血管造影の所見を併せて、治療効果判定法としての有用性を検討する。 超音波検査は移植時に生じる体表の傷のアーチファクトの影響が強く出てしまうため、移植方法や超音波撮像法を様々試す必要があった。最終的に高い移植成功率を維持しながら、十分に評価しうる超音波画像が得られるよう、移植手技や超音波撮像法を確立しえた。また造影超音波は、超音波造影剤のソナゾイドを用いてラットの尾静脈より施行した。ソナゾイドを用いたラットの実験では臨床用量の等倍、10倍、100倍と報告されているが、我々の実験では臨床用量の10倍の濃度で最も良好な造影効果を得られた。 経カテーテル動脈塞栓術では適切な塞栓物質のサイズ・動注量の模索に難渋したが、適切な治療モデル群を確立しえた。また比較群であるリピオドールを利用したTAE群においても同様に適切な動注量の模索を行い、治療モデル群を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部代替案の導入はあるものの、当初の研究目的をふまえ、研究実施計画に従って概ね順調に研究を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に動物の腫瘍モデルを確立し、治療手技や画像評価の手法も確立できた。今後は取得した病理組織像および超音波画像を解析し、統計処理を進めていく。
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Causes of Carryover |
誤差である。
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