2019 Fiscal Year Research-status Report
Realization of next-generation adaptive radiation therapy using virtual CT image constructed with convolution neural network
Project/Area Number |
18K15563
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
臼井 桂介 順天堂大学, 保健医療学部, 助教 (20714132)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 深層学習 / 適応的放射線治療 / コーンビームCT / 人工知能 / シミュレーション / がん放射線療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、深層学習を利用して正常臓器の障害の発生を予測した、新しい適応的放射線治療計画を実現させることを目的としている。本提案手法の実現には放射線治療時のコーンビームCT画像を後方視的に解析し、治療後の障害の発生頻度および重症度を予測した深層学習機構を構築する。また、このコーンビームCT画像自体の画質改善をもこの深層学習により実現させることによって、新たな放射線治療時の計画線量分布を瞬時に取得できるシステムを実装することを目指している。 昨年度から構築してきた深層学習機構を利用して、今年度はコーンビームCT画像の画質改善処理を実施した。コーンビームCTは散乱線等の影響により画像の粒状性が劣化し、またビームハードニングアーチファクトが強く表れる。本研究により構築した学習機構によって、コーンビームCTを仮想した単純なノイズ画像の画質改善を実現することができたが、その精度が不十分であった。そこで、コーンビームCT画像に寄与するノイズ成分を非常に高い精度で模擬するために、モンテカルロシミュレーションによるノイズ推定法を実装し、深層学習に組み込む準備を行っている。 また、放射線治療時のコーンビームCT画像を用いた治療後の正常臓器障害予測の深層学習機構のため、放射線治療直前のコーンビームCT画像を集積し、学習機構への導入準備を進めている。ここでは、放射線治療後の障害の発生頻度や重篤度を学習するために、既に放射線治療を終了した症例データを後向視的に集計している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該研究の開始年度に申請した研究機関の研究倫理申請の承認が遅くなってしまい、臨床データを使用した研究を早期に開始することができなかった。また、深層学習用データの収集に計画より大幅な時間を要してしまい、深層学習のプログラムの最適化に非常に時間がかかってしまった。コーンビームCT画像のノイズ除去には、正確なノイズ分布を作成し深層学習に利用することが必要であり、これを作成するためのモンテカルロシミュレーションには膨大な計算が必要であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
コーンビームCT画像の画質改善を目指した深層学習機構にはモンテカルロシミュレーションで作成した理想的なノイズ分布を利用し、画質改善処理の精度を向上させる。 放射線治療時の正常臓器の障害予測を目指した深層学習機構には、治療直前のコーンビームCT画像と治療後の効果を学習に取り込み、これらの分類処理を実現する。 以上の深層学習を統合し、放射線治療に伴う障害予測と体内線量分布を同時に評価することのできる、新しい適応的放射線治療の実現を目指す。
|
Causes of Carryover |
深層学習に使用するコンピュータは、所属する研究機関で所有するもので代用できることが判明し、購入を見送っているため。また、深層学習を実装するコンピュータのデバイスを未購入であるため。 深層学習の最適化を進めるには、学習時間の短縮が必須であるため、深層学習用コンピュータの高速演算用GPGPUを購入に予算を支出する予定である。
|