2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Fluid Dynamics-based Investigation of Long-term Effects of EVAR Postoperatively using Finite Element Method Simulation
Project/Area Number |
18K15586
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
濱口 隆史 金沢大学, 附属病院, 診療放射線技師 (20749329)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 流体解析 / 腹部大動脈瘤 / ステントグラフト / 有限要素法 / CT / MRI / カテーテル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,腹部大動脈瘤ステントグラフト治療後患者において,有限要素法シミュレーションを用いた血液の流体力学的情報を,従来のCT検査に付加することである.このシミュレーションには,ファントム実験および心電図同期併用三次元シネ位相コントラスト法を利用したMRI検査(4D-flow MRI)を用いた健常ボランティア実験によって,解析値の検証を行い,高い精度を確保することが重要である. 健常ボランティア11名についてMRI検査を実施し,腎動脈分岐部直下の位置で二次元位相コントラスト法を撮像することで,正常な腹部大動脈の平均流速波形を定義することが可能となった.また,これら健常例における4D-flow MRIも撮像し,腹部大動脈血流速度について,有限要素法シミュレーションとMRIとの解析精度を比較検証した.腹部大動脈瘤症例についても解析精度を検証するため,本研究代表者の所属施設に3Dプリンターを導入し,シリコーンゴム製の血管モデルを作成した.この腹部大動脈瘤血管モデルに流体ポンプを接続し,血流を模した脈波水流を流入させた状態で,4D-flow MRI撮像による流速およびカテーテルによる内圧の測定を行った.以上の検証結果から,有限要素法シミュレーションによる腹部大動脈瘤内の血流速度や血圧の測定は,4D-flow MRIやカテーテルによる実測と同様に高い精度を有することが確認できた. 本研究代表者所属施設で過去に実施された腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術前のCTアンギオグラフィー画像を用いて有限要素法シミュレーションを行った.最大短径が13.9mmから63.6mmの紡錘状瘤および10.3mmから55.5mmの嚢状瘤に対するシミュレーション結果から,瘤内の血流速度,圧力,剪断応力といった解析値が得られ,ステントグラフト治療計画に有用な情報となることが示唆された.
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