2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of cardiac CT using 64-row CT and establishment of factors to predict the outcome in diabetic patients
Project/Area Number |
18K15605
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
富澤 信夫 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60728509)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心臓CT / 糖尿病 / 心筋血流量 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度では心筋撮影時のデータを用いて、冠動脈撮影時に使用する造影剤量や撮影タイミングを最適化する検討を行った。このような技術的な改良を積み重ね、64列CTを用いた心臓CTは大方完成したといえる。 今年度では心臓CTによる予後への影響を解析した。心臓CTを受けた242名の主に糖尿病患者を18か月フォローした。心血管イベントとしては、全死亡、非致死的心筋梗塞、不安定狭心症、入院を要する心不全、末梢血管疾患、脳卒中とした。負荷時の背景心筋血流量が少ない群(=<1.15 ml/min/g)では、多い群(>1.15 ml/min/g)と比較して有意に心血管イベントが多いことが分かった(6.1% vs 1.8%, p = 0.02)。背景心筋血流量が低いことは、虚血の有無や心血管リスク因子で補正しても有意なリスク因子であった(ハザード比: 3.4, 95%CI: 1.2-12.0, p = 0.02)。 この結果から、糖尿病患者の心血管イベントを推測するリスク因子として、負荷時の心筋血流量が古典的な危険因子に加えて独立した因子であることが示された。さらに、この結果は虚血の存在の有無とも独立している点は特筆すべきである。虚血のみを評価するのであれば、心筋SPECTで評価可能であるが、心臓CTを用いれば、冠動脈の形態や心筋虚血のみならず、心筋血流量の絶対評価もできる点で非常に有効な検査法である。心臓CTは糖尿病患者の予後評価において重要や役割を果たすといえる。
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