2020 Fiscal Year Research-status Report
クリプトーム解析を用いた陽子線に対するがん細胞応答の網羅的解析
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18K15612
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
北條 秀博 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (60638774)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 陽子線 / 炭素線 / トランスクリプトーム / 食道癌細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子線治療の一つである陽子線は、その生物学的効果が1.1倍程度とX線とほぼ同等と考えられている。しかし物理学的性質がX線と大きく異なることは知られており、申請者は陽子線の照射野内で生物学的効果が不均一である可能性を報告した。放射線はDNA損傷を介し、生化学的な過程を経て生物学的効果を誘導することが明らかとなっており、DNA損傷の形式、依存する修復経路はX線と陽子線で異なることが報告されている。しかし、その詳細な研究は限られているのが現状である。そこで、本研究ではX線と陽子線の照射後にがん細胞内で活性化される遺伝、signal pathwayを明らかにする事を目的とした。これまでに我々は食道癌細胞株を用いてX線、陽子線照射後の細胞内変化をRNA-sequenceをおこなった。照射後に活性化される遺伝子について経時的に調べ、IPathwayGuide用いて解析した結果、X線、陽子線双方において放射線照射後に免疫関連の遺伝子の活性化が生じる事が明らかになった。我々はこの免疫応答に着目し、放射線線種ががん免疫応答に与える影響について炭素線も含め、詳細な検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はSTING-STAT1のノックアウト細胞を用いた検証実験・解析を行った。COVID19の社会情勢により、一時期実験・解析を行うことができなかったが再開し、現在論文作成中であるため、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで報告のなかった陽子線、重粒子線の放射線照射後に活性化される免疫応答とその制御因子を明らかにし、現在論文作成中である。追加の検討が必要であれば、追実験、解析を予定している。
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Causes of Carryover |
COVID19の社会情勢もあり、研究の進捗を優先させたため、次年度に繰り越すこととなった。追実験が必要となる可能性があり、試薬やガラス器具、プラスチック器具が更に必要となることが予想される。また、さらなるシークエンス、解析を行う事も考えておりその費用も必要となる。更に、国内、国際学会参加費、論文投稿に際し、校正費等にも使用する予定である。
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