2018 Fiscal Year Research-status Report
チェレンコフ光を用いたリアルタイム放射線治療精度評価システムの構築
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18K15613
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
岡本 裕之 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医学物理士 (90595729)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | チェレンコフ光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はチェレンコフ光のモンテカルロシミュレーションGEANT4の計算環境を構築した.はじめに,コバルトガンマ線の治療装置をGEANT4上でモデリングした.精度検証のため,空間的な線量分布の評価を行った.また通常線量のみの計算でしたGEANT4を使用しないため,本研究の対象であるチェレンコフ光の発生が計算できるように計算コードを修正した.単純な水ファントムをGEANT4で再現し,チェレンコフ光の強度が計算できるようになった.チェレンコフ光の発生条件は放射線のエネルギーのみならず媒質の光学特性にも依存するため,媒質の光学特性の情報を収集した.GEANT4では強度のみの計算であるが現在スペクトルが計算できるようにコードを修正中である.これらの情報をもって,計測カメラの量子効率から最適な測定条件を見積る.今年度は測定条件についても検討を図った.チェレンコフ光は非常に微弱であるため微弱な光を検出できる計測カメラの選定と測定条件を整理した.その結果,現在,C-dose camera (DoseOptics社)を用いた測定を考えており,比較的高ゲインで信号の低いチェレンコフ光を検出できることがわかった.治療室は通常明るい状態で治療するためこのような環境でも測定できる条件で考えている.現在,DoseOptics社のエンジニアリングと技術的な交渉をしている.使用する放射線の種類についても検討した.一般的に高エネルギーの光子ではチェレンコフ光が確実に発生するが,小線源治療192Irにおいてもチェレンコフ光が発生するため,小線源治療中のチェレンコフ光も測定することを検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
放射線治療照射中に発生するチェレンコフ光は非常に信号が低く,通常の治療室環境下ではバックグラウンドより下回った発光量のため計測が不可能である.そのため,信号を増幅させる専用の計測カメラが必要となり,技術的な問題に直面していた.しかし,近年電子増幅させたCCDカメラが開発されたため,その計測カメラの利用を考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はチェレンコフ光を検出可能な計測カメラ(C-dose, DoseOptics社)を用いてファントムに対して照射したときのチェレンコフ光の振る舞いについて評価する予定である.放射線の種類としては,コバルト治療装置,汎用治療装置(X線と電子線),また小線源治療においても確認する予定である.すべての測定においては,複雑なファントムを用いず単純な照射野と板型の水等価ファントムを用いる予定である.単純な測定系であるため,同一の条件をモンテカルロシミュレーションで再現し,実測の精度を評価する予定である.
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Causes of Carryover |
当該年度は計測カメラの選定を行ってため使用額が残ってしまった.2019年度に計測カメラを購入予定である.
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[Journal Article] Monte Carlo modeling of a 60Co MRI-guided radiotherapy system on Geant4 and experimental verification of dose calculation under a magnetic field of 0.35 T2019
Author(s)
Okamoto H, Nishioka S, Iijima K, Nakamura S, Sakasai T, Miura Y, Takemori M, Nakayama H, Morishita Y, Shimizu M, Abe Y, Igaki H, Nakayama Y, Itami J
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Journal Title
Journal of Radiation Research
Volume: 60
Pages: 116
DOI
Peer Reviewed / Open Access