2020 Fiscal Year Research-status Report
チェレンコフ光を用いたリアルタイム放射線治療精度評価システムの構築
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18K15613
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
岡本 裕之 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医学物理士 (90595729)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | チェレンコフ光 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、チェレンコフ光検出器の基礎測定を実際の放射線治療装置 CyberKnifeを用いて行った.具体的には、チェレンコフ光の再現性、直線性、角度依存性、また治療室の照度変化に応じたチェレンコフ光の信号変化を評価した.また従来の測定器であるEBT3フィルムと比較し、ファントムの表面線量とチェレンコフ光のプロファイルを比較し、プロファイル形状を評価した. 結果として再現性は5回照射で1%程度の標準偏差を示した.また、照射MUとチェレンコフ光の直線性についても、R2=0.999を示し良好な結果であった.チェレンコフ光の絶対値については、治療室の照度に依存することがわかった.絶対値も含めて精密に評価する場合には、測定の間、治療室の照度を一定にする必要がある.EBT3フィルムとの比較においては、照射野内で僅かにプロファイル形状の違いが見られた.これは、線量およびチェレンコフ光の発生のメカニズムが異なることから起因していると考えられる.照射野サイズ(FWHM)については2 mm以内で一致した.プロファイルの形状については、モンテカルロシミュレーションを用いて、得られた測定値に対して検証を行う予定である.また来年度においては、チェレンコフ光を用いたEnd to end ファントムから、照射精度を評価する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
チェレンコフ光の測定が成功し、基礎測定も終了した.
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Strategy for Future Research Activity |
チェレンコフ光の基礎測定は終了したため、現在、チェレンコフ光を用いたEnd to endファントムの開発を行う予定である.End to Endは、実際の治療を模擬し、放射線治療の一連の工程を行い、照射精度を評価することを目的としている.すでにファントムの制作は終了し、次年度に本格的に検証を行う予定である.このファントムを用いることにより、出力線量、放射線の出力エネルギー、照射位置精度が同時に評価可能である.
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Causes of Carryover |
次年度において、次年度使用額内でEnd-to-end ファントムの改良を予定している.
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