2019 Fiscal Year Research-status Report
限局型小細胞肺癌への放射線治療線量増加の有効性確認試験:生物、物理、人種の視点で
Project/Area Number |
18K15616
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Research Institution | Osaka International Cancer Institute |
Principal Investigator |
森本 将裕 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 放射線腫瘍科医長 (00745359)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 限局型小細胞肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
限局型小細胞癌に対する強度変調放射線治療を用いた放射線治療線量増加のための、安全に治療を行える線量分布に関する検討を行ってきている。当院では、日常臨床として非小細胞肺癌に対する根治化学放射線治療と、その後の免疫療法を行っている。1日1回2 Gyから2.2 Gyで、全部で60 Gy/30分割から66 Gy/30分割で放射線治療を行っている。白金系と第3世代の殺細胞性の抗がん剤の2剤を組み合わせた化学療法を行い、放射線治療後の放射線肺炎で、その後の免疫療法が困難になった症例は、5例/34例であった。また、放射線食道炎のために、その後の免疫療法が困難になった症例は、1例/34例(上記と重なっている)であった。また全体では、9例/34例で免疫療法が困難であった。免疫療法が困難になる因子は、慢性閉塞性肺疾患を持っている患者と予防的リンパ節照射を行った患者であった。肺線量と食道線量についても検討を行っている。肺V20、肺V5、肺Vspearing 5 Gy、肺V10、肺V20、肺V30、肺V40、平均肺線量、食道V60、食道V50、食道V40、平均食道線量について検討を行ったが、免疫療法が困難になる有意な因子ではなかった。これは、限局型小細胞肺癌において考えると、用いる放射線の量や分割方法の違いはあるが、同時化学放射線療法後に、地固めの化学療法が投与されにくい状況もあり得るため、予防的リンパ節照射を行うかどうかを検討する必要があると考えられた。頭頸部癌領域で応用されている正常組織障害予測モデルの検討を、肺癌領域でも行う必要があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究に必要な物品の購入の精査が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた知見で、研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
息止め放射線治療システムの更新と、データ解析のための必要な物品などがまだ精査中であり、購入できていないためである。今後精査をすすめて購入を検討していく。データの解析や学会発表や論文発表、勉強会、web相談や、外国語の校正などを行っていく予定である。
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