2018 Fiscal Year Research-status Report
Formulation of quantitative method and clarification of physical phenomenon for simultaneous small-animal SPECT and PET system
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18K15628
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
澁谷 孝行 金沢大学, 保健学系, 助教 (80762509)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | SPECT / PET / 小動物イメージング / 同時収集 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋血流および糖代謝の集積比の検証および心筋バイアビリティを評価することができるファントムの構築を行った。 心筋血流と糖代謝の正常ラットでの心筋集積比を明らかにするために,心筋血流製剤(MIBI)および糖代謝製剤(FDG)を投与したラットをSPECT-PET/CT装置で撮像し,撮像終了後に心筋,肝臓,肺,血液を抽出し,ウェルカウンタで%ID/g測定した。さらに,SPECTおよびPET画像上にROIを設定し,心筋,肝臓,肺の%ID/pixelを算出した。さらに%ID/gおよび%ID/pixelごとのFDG/MIBI比を算出し,さらに両者の相関関係を明らかにした。本研究によりMIBIとFDGの正常ラットの各臓器の摂取量を明らかにすることができ,MIBIとFDGの同時収集時の各臓器の放射能濃度比を示すことができた。さらに,実臓器から算出した%ID/gと画像から算出した%ID/pixelの回帰直線を構築できたことから,臓器の摘出なしに各臓器への集積程度を推定することが可能になった。 上記の研究をふまえて,MIBIとFDGの同時イメージングで生じるダウンスキャタの影響を新しく構築した心筋ファントムを用いて評価した。本ファントムは,心筋の欠損部に溶液を封入できるように設計され,正常心筋(MIBI正常,FDG正常),生存心筋(MIBI異常,FDG正常)および梗塞心筋(MIBIおよびFDG異常)をシミュレーションすることができる。前述の研究成果で導き出したFDG/MIBI比や各臓器の%ID/gに設定した放射能濃度でMIBIおよびFDGの単一収集と同時収集の両方を実施した。MIBIおよびFDGの同時収集におけるMIBIの画像において欠損描出能および正常心筋のコントラストが低下し,散乱線補正を加えることで改善した。本研究から一般的な物理現象が再現可能なファントムを構築することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画の内容を概ね完了することができた。さらに,研究計画にはなかった肺,肝臓脊椎および胴体(血中)など心筋への散乱線を発生する要因のファントムの構築にも着手することができ,より生体の小動物を模擬したファントムを完成させることができた。肺,肝臓,脊椎および胴体(血中)を模擬したファントムを装着した心筋ファントムの評価はまだできていないが,次年度に計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
心筋,肺,肝臓,脊椎および胴体を模擬した小動物用ファントムを用いて放射線の減弱および散乱線を模擬したファントムの評価を実施する。さらに,部分容積効果を評価および補正するファントムの着手に努める。さらに部分容積評価用ファントムを用いてMIBIおよびFDGの同時収集を実施し,MIBIおよびFDGごとの部分容積効果の影響を単一収集と同時収集で評価する。
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Causes of Carryover |
初年度に新しいラットを模擬した心筋ファントムを構築し,さまざまな評価をすることができた。また,研究計画を進歩させ,肝臓,肺,胴体を模擬するファントムを構築したが,今年度中に評価することができなかった。次年度の肝臓,肺,胴体も模擬した心筋ファントムを用いた評価を実施する。しかし,その成果によっては改良が必要な場合があり,それは次年度の使用額に加味されていない。したがって,今年度の予算の一部を次年度へと補填する。 もし,現在作成済みのファントムで小動物イメージングの減弱や散乱を再現することができた場合は,本資金は必要なくなるが,その場合は,初年度に構築した%ID/gおよび% ID/pixelの回帰直線の精度を向上させるためにn数を増やす実験を行うために必要な物品等を購入する予定である。
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