2018 Fiscal Year Research-status Report
放射性ヨウ素内用療法におけるヨウ素集積の定量化と吸収線量の推定法の確立
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18K15629
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯塚 裕介 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (90782673)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヨウ素シンチグラム / 定量的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年5月から12月までに、放射性ヨウ素内用療法を入院で受けた患者を対象にして既知線量のヨウ素カプセルを同時に撮像したヨウ素シンチグラムを56例の患者で撮像した。当院では週に2人ずつまでしか入院治療を施行できないため時間がかかったが予定通りの症例数を集めることができた。外来で放射性ヨウ素内用療法を施行した患者はシンチグラムの撮像時間が一定ではないこととSPECT/CTを撮影しないことから除外した。 得られた画像データから定量化に必要な集積の強度を計測するためにデータの加工と転送、画像解析法の検討を行っている。機械学習ソフトでは学習用プログラムを作成し、ヨウ素シンチグラムにおけるヨウ素の集積を認識することについては目処が立ちつつあるが、その先のヨウ素集積強度の定量化についてはまだ目処が立っていない状況である。そのため、放射線治療計画に用いている商用の治療計画支援ソフトでもヨウ素集積の画像解析を行っている。このソフトには任意の部位での集積強度を数値として返す機能があり、既知線量のヨウ素カプセルを同時に撮像したヨウ素シンチグラムにおいてはこの線量との比を用いることでヨウ素の集積ごとの放射線量をある程度定量化することが可能となった。ソフトの数値についても絶対的ものか相対的なものか、周囲の集積や生理的集積により影響を受けるか否かなどについても検討を行っている。 当該患者の放射性ヨウ素治療の結果や血液検査尿検査などについての臨床情報は随時データベースに入力されており臨床結果との相関についても検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標である既知線量のヨウ素カプセルを同時に撮像したヨウ素シンチグラムの撮像が予定通り終了したため。画像解析については、初めはある程度の試行錯誤が必要であると想定しており解析法が確立できればあとは単純作業となるため、おおむね予定どおりと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき画像解析を継続し、ヨウ素シンチグラムの集積から放射線量が推定できるようにする。機械学習による放射線量の推定ができるようになるのが最も良い状況であるが、難渋することが予想されるため、困難な場合は治療計画支援ソフトによる推定の結果を用いて吸収線量を推定できるかどうかの検討を開始する。
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Causes of Carryover |
放射性ヨウ素薬剤(既知線量のヨウ素カプセル)は未使用のカプセルの余りがあり購入数が予定より少なくなった。次年度の計画として画像解析にはよりマシンパワーが必要になる状況が想定されるため、GPUの増設や外付けGPUを購入する可能性がある。
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