2019 Fiscal Year Research-status Report
放射性ヨウ素内用療法におけるヨウ素集積の定量化と吸収線量の推定法の確立
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18K15629
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯塚 裕介 京都大学, 医学部附属病院放射線部, 助教 (90782673)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヨウ素シンチグラム / 定量的評価 / Adjuvant Therapy |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に撮像した放射性ヨウ素内用療法を受けた患者のヨウ素シンチグラムを用いて、Planar画像とSPECT画像のどちらが集積の強度を正確に画像に反映しているかを比較した。機械学習では元となるデータのばらつき、認識の問題もあり正確な評価が困難であると判断して、商用ソフトを用いた評価を行った。すると、Planar画像のほうが集積の強度をより正確に反映しており、集積の強度を推定できることがわかった。このデータを用いて他の集積部位の放射線量を推定することが可能となった。現在、このデータを用いて集積の強度と臨床成績との相関を調べている。集積部位の推定線量が分かったが、CT画像と合わせて臓器や腫瘍の吸収線量の推定までを行うにはデータが足りないこともあり、今後追加でデータをとることも検討している。 また、研究の過程で作成したデータベースを用いて、放射性ヨウ素による術後Adjuvant therapyにおいて、治療内容や治療の準備の違いによる治療成績の違いについても検討した。治療の内容では高線量の放射性ヨウ素を投与した患者と低線量を投与した患者で治療成績が変わるのかを検討した。患者全体では高線量と低線量の差はなかったが、より再発リスクの高い患者群においては高線量のほうが成績が良くなる傾向があることがわかった。この成果は学会で発表されたのち論文化もされている。治療の準備法については従来行われていた甲状腺ホルモンの休止とリコンビナントヒト甲状腺刺激ホルモン投与のやり方がある。この違いによる治療成績の違いも検討したところ、こちらは両者に有意な差はみられなかった。この成果は学会で発表後、論文作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的であるヨウ素シンチグラムの集積の定量化についてめどがついたため。 また、直接の目的ではないがこの研究の過程で調べた放射性ヨウ素内用療法の治療成績についての論文を出版することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヨウ素の集積部位の放射線量を推定することが可能となったので、その線量から吸収線量を推定する。吸収線量と実際の臨床での結果の間の関係についても検討する。
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Causes of Carryover |
統計解析ソフトは無償のものと大学でライセンスを持っていたものが使用できたので、支出がなくなった。学会参加が予定よりも減った。
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