2020 Fiscal Year Research-status Report
4D-CT画像加算処理技術を用いた造影剤80%減量CTAの臨床応用
Project/Area Number |
18K15634
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀之内 宏樹 神戸大学, 医学部附属病院, 医学研究員 (50815991)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 造影剤減量 / 4D-CT / EVAR術前検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
新たなヨード造影剤減量法として4D-CT画像加算処理技術を用いた造影剤80%減量CTの臨床応用に向けて、大動脈領域における撮影プロトコールにて、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(EVAR)の候補者のうち、腎機能障害を有し造影剤腎症のハイリスク患者を対象とした臨床研究を行った。 施設内倫理委員会の承認を得て、EVAR術前検査として造影剤80%減量4D-CTを撮影し、加算処理にて全大動脈のCT Angiographyを作成した。計26例で加算処理で作成した造影剤80%減量CT Angiographyの画質評価として大動脈の造影効果や血管径の計測値の信頼性などについての評価を行い、臨床評価として造影剤腎症や被ばく線量などについて臨床を行った。 4D-CT画像加算処理技術を応用することで造影剤80%減量を実現し、EVAR術前検査として必要な画質を保ち、造影剤腎症のハイリスク症例においても造影剤腎症の発生なく、検査し得た。この研究の結果についての論文を海外雑誌で発表した。 EVAR術前検査としてはCT Angiographyが第一選択であるが、従来の撮影プロトコールでは相当量の造影剤を使用する必要があるが、EVARでは主に高齢者が対象であり、慢性腎臓病(CKD)を含む造影剤腎症のハイリスクを有する症例が多く含まれているため、症例に応じて造影剤腎症を予防するために造影剤減量が推奨されている。さらに、EVAR術前のCKDの進行に伴い、術後の死亡率や合併症が増加すると報告されている。本研究成果によって多くの症例で適切で安全な術前検査が行われ、治療成績の向上にも寄与すると考えられる。 大動脈領域での臨床応用は実現したが、現プロトコールでは従来のCT Angiographyと比較し、大動脈領域以外の末梢血管や臓器については画質が劣り、被ばく線量も相対的に高くなるなどの課題があるため、撮影プロトコールの改善を試みている。今後、可能であれば従来のCT Angiographyとの比較試験を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大動脈領域における4D-CT画像加算処理技術を用いた造影剤80%減量CTは臨床応用が実現できたが、社会情勢の影響もあり、検討していた撮影プロトコールの改善や従来のCT Angiographyとの比較試験などの新たな研究課題への取り組みが制限されており、研究は想定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
大動脈領域においては臨床応用を実現できたが、現在のプロトコールには画質や被ばく線量の点で課題がある。撮影プロトコールの改善をし、従来のCT Angiographyとの比較試験を検討していたが、社会情勢のため当初予定していた研究進行が困難な状況が続いている。 現在の状況下でも行える研究として、既存データを用いた4D-CT撮影における被ばく線量の低減の実現可能性についての研究を検討している。既存の4D-CTデータを用いて画像加算処理方法を調整し、従来法より少ない時相の4D-CTデータでCT Angiographyを作成し、従来法と画質を比較することを検討している。
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Causes of Carryover |
社会情勢のため、参加予定であった学会等が中止となり、次年度使用額が生じた。現状況下でも可能な研究課題を遂行し、雑誌論文や学会発表のための経費として使用予定である。
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